内容説明
神武伝承は「空白の4世紀」に形成された―。天孫降臨はなぜ日向だったのか?天皇家はなぜ母系を隼人とするのか?ヤマト王権の「始祖王」たる神武天皇、その伝承の成立過程を明らかにする。
目次
第1章 神武天皇東遷伝承形成史論―阿陀の鵜養と吉野の国栖(神武天皇と吉野川流域1―『古事記』の所伝;神武天皇と吉野川流域2―『日本書紀』の所伝 ほか)
第2章 神武天皇伝承と賀茂の事代主神―摂津の三嶋溝咋の神話と関連氏族(富登多多良伊須須岐比売命の誕生―丹塗矢型神婚神話;大和葛城と山背葛野の賀茂氏;八尋熊鰐と化した事代主神;三嶋溝咋とは何者か;三嶋溝咋関連の先行研究;嶋溝咋の素姓)
第3章 葛城の迦毛大御神の信仰と祭祀―アヂスキタカヒコネ神の古代史(アヂスキタカヒコネ神の神話;迦毛大御神=アヂスキタカヒコネ神の奉斎;アヂスキタカヒコネ神の神格1―「アヂ」をめぐって;アヂスキタカヒコネ神の神格2―「スキ」をめぐって;アヂスキタカヒコネ神の信仰)
第4章 大和の水分とヤマト王権の水源祭祀(吉野水分神社;宇太水分神社;都祁水分神社;葛木水分神社;葛木水分と葛木御県;石川錦織許呂志;忍海刀自;古代忍海地域の人々)
第5章 白河上皇高野参詣の「火打崎」行宮の所在地―古道から探る(『白河上皇高野御幸記』の旅程;鳥羽上皇の高野参詣の行程;論点の整理;古代の交通路からみた宇智郡;奈良時代の紀伊行幸の旅程;宇智郡の「火打」関連地名;先行説の検討)
終章 神武天皇伝承の形成とヤマト王権
著者等紹介
平林章仁[ヒラバヤシアキヒト]
1948年、奈良県五條市生まれ。1971年、龍谷大学文学部史学科卒業。以降、奈良県内で教諭として教壇に立つかたわら、研究活動を行なう。1992年に初の単著『鹿と鳥の文化史』(白水社)を刊行、以降コンスタントに著書を上梓する。2002年、「古代日本の王家と氏族の研究」によって皇學館大学(学長・大庭脩)より博士(文学)号。この間、龍谷大学・堺女子短期大学・京都造形芸術大学非常勤講師、龍谷大学仏教文化研究所客員研究員、奈良県王寺町史編纂委員等を経て、2007年に龍谷大学文学部史学科教授となり、2017年に定年退職するまで勤務した。専門は日本古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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