内容説明
場所から空間へ、人格から没人格へ。コロナ禍における「社会の自明性の崩壊」を見通す、宮台真司の最新評論集。
目次
第1章 “森”のような「微熱の街」はどこにいったのか(『寝ても覚めても』意味論的にも視覚論的にも決定的な難点がある;『愛しのアイリーン』「愛」ではなく「愛のようなもの」こそが「本当の愛」であるという逆説に傷つく体験;『ザ・スクエア 思いやりの聖域』この世に存在しながら存在しない、子供の指し示す幽霊性 ほか)
第2章 震災後の日本が露呈させた空洞(『ヒミズ』『KOTOKO』『RIVER』3本の「震災映画」から映画の可能性を見通す;『サウダーヂ』「自意識に由来する痛さ」ゆえの酩酊へ;『冷たい熱帯魚』『悪魔を見た』想像を絶しているのは“システム”に依存しているからではないか。ポストモダン的観察を踏まえた傑作と、踏まえない駄作。 ほか)
第3章 社会は世界を拒み、クソとなった(『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』社会は本当に生きるに足るかという痛切な問い;『ニンフォマニアックVol.1/Vol.2』キリスト教を前提とした不完全な社会への福音;『メビウス』男根に“対他強制”としての性を見出し、男根争奪戦を嘲笑する ほか)
宮台真司×黒沢清―“閉ざされ”から“開かれ”へと向かう“黒沢流”の反復
宮台真司×ダースレイダー―『TENET テネット』は『メメント』と同じく「存在論転回」の系譜上にある
著者等紹介
宮台真司[ミヤダイシンジ]
1959年3月3日、宮城県仙台市生まれ。社会学者/映画批評家。東京都立大学教授。東京大学大学院博士課程修了。社会学博士。権力論、国家論、宗教論、性愛論、犯罪論、教育論、外交論、文化論などの分野で多くの著者を持ち、独自の映画評論でも注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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