内容説明
物語文学にまつわる多様なテーマを新たに中世王朝物語から切りひらく!物語の生成と享受の場を復元し、日本文化に占める作り物語の位置を把握する。
目次
1 中世王朝物語と時代(『無名草子』の老尼が見た時代―中世王朝物語始発期の一断面;『浅茅が露』の成立環境―北山の聖の自己語りを起点として九条家の周辺に及ぶ ほか)
2 中世王朝物語と和歌(『とりかへばや』和歌表現に見られる時代性―後撰和歌集六七九番歌受容を支点として;中世王朝物語の引歌表現―その“歌撰び”の概要 ほか)
3 中世王朝物語と物語受容(『狭衣物語』から『山路の露』へ―“その後”をひらく物語;「宮の御方」の物語の源流と展開―『在明の別』の「対の上」の物語との関係を中心に ほか)
4 中世王朝物語の主題と方法(『古とりかへばや』は駄作か;『松浦宮物語』にみる終端技法―跋文に関する私考 ほか)
5 中世王朝物語と絵画(「紅の袴」が表象するもの―『堤中納言物語』「虫めづる姫君」の「白き袴」序説;奈良絵本『花世の姫』伝来考―鹿田静七蔵本から広島大学蔵本への展開)
著者等紹介
横溝博[ヨコミゾヒロシ]
1971年生。東北大学教授。博士(文学)
金光佳子[カナミツケイコ]
1973年生。京都大学教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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