内容説明
共同体に滅亡をもたらす者、革命家として憲兵の刃に倒れる者、産まれたばかりの我が子を手にかける者―死と暴力にまみれ、恐怖の相貌を帯びた女性たちはなぜ描かれたのか。19、20世紀を生きた作家たち、宮崎夢柳・福田英子・平林たい子・三枝和子の諸作品から、今なお根強く残るジェンダー秩序と、女性表象や女性解放をめぐる問題に鋭く切り込む。
目次
公/私区分とジェンダー
1 自由と女―宮崎夢柳の政治小説(「佳人」の死―「芒の一と叢」における女性表象;土佐を歩く夢柳―初期テクストと土佐自由民権運動の距離;「鬼啾啾」における「主義」と「私事」)
2 階級と女―福田英子と平林たい子(「女壮士」の行方―景山英子から福田英子へ;「理知」と「意志」のフェミニズム―平林たい子における公/私の脱領域化;境界をめぐる物語―平林たい子「夜風」論)
3 文化と女―三枝和子のフェミニズム・ディストピア(亡霊的な「女性原理」―「鬼どもの夜は深い」を中心として;「自由」への憧憬と懐疑―『八月の修羅』から『隅田川原』へ;友でもなく、敵でもない者)
テロルの女たち
著者等紹介
倉田容子[クラタヨウコ]
お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了。博士(人文科学)。現在、駒澤大学文学部教授。専門は日本近現代文学、フェミニズム批評(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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