内容説明
視点を変えて古代史の常識を問いなおす。「乙巳の変」「白村江の戦い」「壬申の乱」など古代の争乱において、今まで常識とされてきた事象ははたして正しいのか。蘇我入鹿、中大兄皇子、大海人皇子、藤原不比等、阿弖流為、桓武天皇、空海…偉人として評価されてきた古代びとは、当時の人々の目にはどう映り、時代のなかでどのように生きてきたのか。古代社会の史実を丹念に踏まえることで、これまで見えてこなかった偉人たちの姿が浮かびあがる。
目次
第1章 古代東アジア世界の激動と争乱(卑弥呼のほのかなる面影―倭姫命;聖徳太子時代の課題;大化改新前後の国造とその周辺;『日本書紀』の乙巳の変を読む;蘇我入鹿と乙巳の変―ゆがめられた敗者像;白村江の戦い―中大兄皇子は敗北したのか;白村江の戦いと朝鮮三国;大友皇子とその後裔;天武天皇の天文・遁甲;古代争乱の軍事学;空前絶後の簒奪王・天武天皇―悪の歴史(1))
第2章 天平政界の再編と暗闘(悪魔の守護神・藤原不比等―悪の歴史(2)
天平という時代
気づかぬ聖帝・聖武天皇―悪の歴史(3)
女帝確立への階梯―中継ぎから自立へ
桓武天皇の即位事情とその政治構想
桓武天皇はなぜ祟りと信じたのか
蝦夷社会と阿弖流為
空海と高野山をめぐって)
余章 知られざる年号
著者等紹介
松尾光[マツオヒカル]
1948年、東京生まれ。学習院大学文学部史学科卒業後、学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士課程満期退学。博士(史学)。神奈川学園中学高等学校教諭・高岡市万葉歴史館主任研究員・姫路文学館学芸課長・奈良県万葉文化振興財団万葉古代学研究所副所長を歴任し、その間、鶴見大学文学部・中央大学文学部・早稲田大学商学部非常勤講師を兼務。現在、早稲田大学エクステンションセンター・NHK文化センター・朝日カルチャーセンター講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
terve
スプリント
遊未