リビア戦争―カダフィ殺害誌

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リビア戦争―カダフィ殺害誌

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  • サイズ 46判/ページ数 525p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784909828002
  • NDC分類 243.1
  • Cコード C0031

内容説明

大量破壊兵器の開発計画を放棄し欧米と和解していたはずのリビアの革命指導者ムアンマル・カダフィ。2011年、そのカダフィが“アラブの春”の反乱と欧米諸国の“人道的介入”を受け、残虐に殺害されるに至った背景には何があったのか。本書は、カダフィが生まれ最期を遂げた地であるシルテを出発点に、豊富な資料を駆使して欧米の“人道的介入/保護する責任”の虚構を暴き、リビアに現在まで続く混乱をもたらしたNATOの軍事介入のほんとうの目的を明らかにする。また、欧米の有名国際人権NGO、メディア、左派が戦争の遂行に果たした役割を検証しその退廃性を問う。オバマ以降の戦争を読み解くための最初の一冊。

目次

はじめに リベラル帝国主義と新たなアフリカ争奪戦
第1章 シルテ―リビア独立の要石
第2章 シルテ―帝国主義の試金石
第3章 リビアの汎アフリカ主義とそれへの不満
第4章 アフリカに対する戦争―AFRICOM、NATO、人種差別
第5章 人道主義と緊急事態の創出
おわりに 余波―アフリカとの新しい戦争

著者等紹介

フォーテ,マクシミリアン[フォーテ,マクシミリアン] [Forte,Maximilian C.]
カナダ・ケベック州モントリオールのコンコルディア大学社会・人類学部教授。大学では政治人類学について教えており、おもに帝国主義/ナショナリズム/(脱)グローバリゼーション/先住民族運動の理論と歴史を研究している

山田文[ヤマダフミ]
英語翻訳者。英国の大学・大学院で社会政治思想を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BLACK無糖好き

17
原著は2012年刊。アラブの春の混乱の最中にリビアのカダフィが殺害されたが、欧米とりわけNATOの軍事介入の是非を厳しく問う。著者が聊かカダフィに肩入れしすぎかなと感じられはするものの、明らかにこれは欧米がカダフィを排除し、リビアの体制転換を企てた戦争犯罪であり、国連憲章違反としてオバマもキャメロンもサルコジも責任を問われるべきなのだろう。又、CNN、BBC、アルジャジーラのメディアが、カダフィによる住民大虐殺が始まるとの根拠の乏しい情報を拡散させた事例も数多く検証している。TBC2021/11/13

CHRONO

2
ロシアによるウクライナ侵略の遠因の一つにカダフィの死があると思う。プーチンはじめ多くの独裁者が恐怖したアラブの春からのカダフィ殺害。アメリカとNATOによる敵国認定。良い独裁と悪い独裁を自国の利益に照らして分け、核開発を放棄しても、一度目を付けられると死ぬまで追われる。太い本で値段も高く、内容も資料の羅列の翻訳で読みにくいが、アメリカとNATOの横暴ぶりが良くあぶりだされている。だからと言ってロシア支持とはなれないが、逆の立場から考えてみるのによい1冊と思う。カダフィ関連の本は多くないので、ありがたい。2023/07/13

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