内容説明
大量破壊兵器の開発計画を放棄し欧米と和解していたはずのリビアの革命指導者ムアンマル・カダフィ。2011年、そのカダフィが“アラブの春”の反乱と欧米諸国の“人道的介入”を受け、残虐に殺害されるに至った背景には何があったのか。本書は、カダフィが生まれ最期を遂げた地であるシルテを出発点に、豊富な資料を駆使して欧米の“人道的介入/保護する責任”の虚構を暴き、リビアに現在まで続く混乱をもたらしたNATOの軍事介入のほんとうの目的を明らかにする。また、欧米の有名国際人権NGO、メディア、左派が戦争の遂行に果たした役割を検証しその退廃性を問う。オバマ以降の戦争を読み解くための最初の一冊。
目次
はじめに リベラル帝国主義と新たなアフリカ争奪戦
第1章 シルテ―リビア独立の要石
第2章 シルテ―帝国主義の試金石
第3章 リビアの汎アフリカ主義とそれへの不満
第4章 アフリカに対する戦争―AFRICOM、NATO、人種差別
第5章 人道主義と緊急事態の創出
おわりに 余波―アフリカとの新しい戦争
著者等紹介
フォーテ,マクシミリアン[フォーテ,マクシミリアン] [Forte,Maximilian C.]
カナダ・ケベック州モントリオールのコンコルディア大学社会・人類学部教授。大学では政治人類学について教えており、おもに帝国主義/ナショナリズム/(脱)グローバリゼーション/先住民族運動の理論と歴史を研究している
山田文[ヤマダフミ]
英語翻訳者。英国の大学・大学院で社会政治思想を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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