内容説明
太平洋戦争前後の食糧難の時代、北上山地に育ち、戦後は地域に伝わる希少な在来作物をつくり続けた。山とともに生きたひとりの女性から筆者は何をどのようにつくり、どのように食べたのかを聞き取りした。中でも、命をつないだかつての主食のヒエは栽培から収穫、調製、加工・調理まで、農耕具とともに丹念にたどった。盛岡市から100kmの道のりを6年半通ってまとめた記録の書。
目次
序章 粘りがあるヒエ「もじゃっぺ」(米の餅のように搗いた;実が熟すのが遅め)
第1章 「これでおがった」(子供のころの食事;個性豊かな地カブと地大根;「ウムスペェ」と白干し;冬につくった粉もの;コメの代わりに)
第2章 雑穀をどうつくったか(畝うち 種播き;収穫から脱穀;手間がかかったヒエの精白)
第3章 身近にあった山のもの(今も食べたいスタミ、トチノミ;果実、野草 自然のもの)
終章 炭焼きも椎茸も牛飼いも
著者等紹介
大谷洋樹[オオタニヒロキ]
1984年早稲田大学政治経済学部卒業、日本経済新聞社入社。月刊誌「日経トレンディ」副編集長などを経て2007年盛岡支局長を最後に退職。地域ライターとして、自然風土に根差した農林業や地域振興の分野を中心に活動。人と自然のかかわりの視点から、伝統的な食と農の営み、暮らしや山の力を生かす林業に関心をもつ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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