内容説明
『古事記』にも記される天上の国=高天原は、どこに存在するのか?神武東征とアレクサンドロスのインドへの遠征路の相似など、日本敗戦後、占領下の日本を舞台に繰り広げる『古事記』を新解釈する日本超古代史ロマン!日本SF界の第一世代の代表的作家・荒巻義雄、満87歳の書き下ろし長編!
目次
第1部 古事記殺人事件(水母なす漂へる時に;オナリ神の謎;天狗山山荘の仙女;カレーライス専門店;倭人発進地雲南説;不思議老人)
第2部 神武東征の謎(“いろは歌”の秘密;消された王朝の謎;飛鳥時代のペルシア人;高天原いずこ;仙女の誘い;神武東征の夢)
著者等紹介
荒巻義雄[アラマキヨシオ]
1933年、小樽市生まれ。早稲田大学で心理学、北海学園大学で土木・建築学を修める。日本SFの第一世代の主力作家の一人。1970年、SF評論『術の小説論』、SF短編『大いなる正午』で「SFマガジン」(早川書房)デビュー。以来、執筆活動に入り現在に至る。1990年代の『紺碧の艦隊』(徳間書店)『旭日の艦隊』(中央公論新社)で、シミュレーション小説の創始者と見なされている。1972年、第3回星雲賞(短編部門)を『白壁の文字は夕陽に映える』で受賞。2012年、詩集『骸骨半島』で第46回北海道新聞社文学賞(詩部門)。2013年度札幌芸術賞受賞。2019年、北海道文学館俳句賞・井手都子記念賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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T F
2
古代史はわからないことだらけなので、想像力を働かせる余地が大きい。それだけに、日本人の源流はユダヤだったとかトンでもな話も多いのだが、それはそれでネタとして楽しめる。が、本書はいったい何が書きたいのか不明。記紀の謎解きを小説家である主人公にやらせているかと思いきや、殺人事件がからみ、「霊魂再生補完機構」なるものが出てくるが、最後まで何なのかよくわからない。伝奇小説であるので現実離れした設定は仕方ないが最後まで支離滅裂であった。2021/02/11
たかむら
0
本書は何を言いたいのか、最後まで分からなかった。とにかく意味不明なままの一冊。 自説(?)のトンデモ話をひたすらひけらかしたいのか?それともミステリーを読ませたいのか。にしてはあまりにも関連性が乏しく何が何やら分からないまま。 タイトルにある「説の真偽」もどこに行ったのやら…で意味不明。 他のトンデモ本でも、もう少し文献を持ってくる等して信憑性を持たせてくるものだと思うが、それもないので説得力もない。2021/04/25
izumone
0
ストーリーというか「虚構」を構築して読者をその世界んい遊ばせるのか,著者の古代史パズルえお開陳するのか,目的のよくわからない「不思議本」という印象。第一世代の作家の最終記の著書というのは,それぞれ独特。2021/03/18