内容説明
ヒッピーは、いつあらわれ、どこからやってきたのか…。1960年代のアメリカに湧き上がったアメリカの対抗文化(カウンターカルチャー)とともに、その諸先輩たちの思想、そして、継承されるヒッピー世代を文学作品などを通して再検討する。
目次
遍在するヒッピー
第1部 反逆と文学、反逆の文学(超越主義の伝統と音楽的身体の共振―『オン・ザ・ロード』からソローへ;エマソンとヒッピーの共振点―反権威主義と信仰;“文化”への不満としてのポー―南部、ケルト、アメリカ文学史の形成;「壁に掛けられない絵」から「出版できない真実」へ―ヘミングウェイで測る対抗と主流の距離 ほか)
第2部 抵抗とメディア、抵抗のメディア(ウッドストック世代のロックとその先輩たち;エルヴィス・プレスリーの文化的定位;デッド・エンド、バッド・シーズ―『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』と対抗文化の政治学;ソロー・リバイバルと対抗文化の作法―アメリカ精神文化の想像力 ほか)
継承されるヒッピー文化(ニルヴァーナとバーニングマン―ヒッピー世代の後輩としてのふたりの二一世紀作家の振る舞い)
著者等紹介
中山悟視[ナカヤマサトミ]
アメリカ文学・文化/尚絅学院大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
川越読書旅団
18
文学のみならず、映画や音楽を通じていわゆるカウンターカルチャー(対抗文化)の解説をする同書、今後のカウンターカルチャー作品探究の1冊として活用して行きたい。2023/02/18
田中峰和
6
米国の対抗文化とヒッピー世代について再考しようとする試みの一冊。ケルアックは、「オン・ザ・ロード」によってヒッピー世代の熱狂的な信奉者を生んだ。69年のウッドストック・フェスティバルから半世紀を経た現在、ニューシネマとして古典となった「イージーライダー」くらいしかヒッピーのイメージは想起できない。本書ではヒッピー世代と対抗文化が一過性のものではなく、19世紀から21世紀までを通貫するアメリカ的伝統のもとで顕在化した文学的な意義を認めることができる。ヒッピー文化とはアメリカ文学史上不可欠な系譜だといえる。2020/02/12
y
1
私にとってはlove&peaceとdrugというイメージしかないヒッピーとそれに先行するカウンターカルチャーについての本。 大好きなヴォネガットと大嫌いなヘミングウェイとまったく手にしたことがないエマソン、サローヤンが語られていて、アメリカ文学ってそうなんだという発見がありました。 特にサローヤンは読んでみようと興味をそそられました。2020/02/28