目次
はじめに―さわる文化と新型肺炎
第1部 写真集「さわる世界旅行」(人生にさわる六つの手;紙上展示「世界の感触」)
第2部 「ユニバーサル・ミュージアム」への道(海外出張は体外出張なり;「生き方=行き方」の探究;「禍を転じて福と為す」新たな博物館構想)
おわりに―ポストコロナの特別展に向けて
著者等紹介
広瀬浩二郎[ヒロセコウジロウ]
1967年、東京都生まれ。13歳の時に失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。2000年、同大学院にて文学博士号取得。専門は日本宗教史、触文化論。01年より国立民族学博物館に勤務。現在はグローバル現象研究部・准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きゅー
7
国立民族学博物館に勤務する全盲の研究者による連載コラム。彼が主催し準備していた展示品に触る企画展がコロナ禍により延期となった事を踏まえ、それでもなお触れることの意義を強く主張している。そもそも博物館において触る行為は強い制限が課せられている。貴重なコレクションの保管・保存という意味では触ることはご法度だし、温湿度や照度についても厳格な管理が必要とされる。しかし、民族学博物館に収蔵されているコレクションがかつて日常に使われていたという観点からすれば、実際に持ってみる、触れてみるというのも重要な側面ではある。2023/02/01
ののまる
5
コロナで「触るミュージアム」が延期になり、その日々の中で考え深め続けた広瀬氏の考察。2024/10/25
YASU
1
高度情報化社会は圧倒的に視覚優位である.これに対し,触覚というもっとも原始的な感覚の大切さを再認識できる書.目に見えない世界を尊重し,優しく,作法をもって触れる/触れ合う文化の必要性を感じる.コロナ時代にあえて濃厚接触を説く,著者の思いが見える.2021/03/09
よしおか のぼる
0
「誰もが」の難しさを考えるのに良い。2021/04/23
るう
0
いかに普段、視覚情報に依存しているか突きつけられる。 最後に出てくる「人に優しい」だけでなく、「人が優しい」場所、「多様な人をお客さんとして受け入れる」だけでなく、「働く仲間として、どうやって、どこまで障害者を認める」かなど、これからの社会についても考えていかないとなと。 延期になっているユニバーサル・ミュージアム展に行きたい。2021/02/27