出版社内容情報
ニューヨーク市警殺人課きっての伊達男、トラント警部補が出くわす、謎また謎の華麗なる冒険――
上流階級に生まれ、法曹界での栄達を約束されていたティモシー・トラントは、輝かしい将来をすべて擲ち、大学卒業後、ニューヨーク市警への奉職を決めた。それは尋常ならざる謎、そして抜け目ない犯罪者との知的闘争を愛するがため。刑事らしからぬ優雅なファッション、そして上流階級へのコネクションに不満を抱き「上流階級専門の刑事」と陰口を叩く同僚たちなどどこ吹く風、トラント警部補は今日も趣味の殺人事件捜査に勤しむのであった。
トラントが殺人事件と遭遇するのは……大金持ちの誕生パーティ、上流階級専門の女子学校、往年の名女優のアパートメント、友人たちと興じるカードのテーブル、劇場のオープニング・ナイト……すなわち、ニューヨークにおいて、優雅と上品が極まった場所だ。あるいは、アルプスのスキーリゾート、ヴェネツィアの豪邸、リビエラの、煌びやかなカジノとは対照的に静まり返った港湾区画……どんなに麗しい場所であっても人と人とが交わる限り、殺人は決してなくならない。上流階級の殺人の、フーダニット/ハウダニット/ホワイダニットは、ティモシー・トラント警部補の論理きらめく頭脳におまかせあれ!
エラリー・クイーンに続く、もう一つの合作コンビ《Q・パトリック=パトリック・クェンティン》によって第二次大戦後に展開された、謎解きミステリの精華たるシリーズ二〇編を集成。
合作者たちに祝福を。トラント警部補こそ、エラリー・クイーンと刑事コロンボをつなぐアメリカ本格の「失われた環」なのですから!
――作家・法月綸太郎 推薦!
◎海外識者の評価
アメリカ犯罪小説界のNo.1はパトリック・クェンティンだ。
――フランシス・アイルズ
「今日最良の犯罪小説短編の作家は誰か」と問われたときにはただ一言、「パトリック・クェンティン」と答えるつもりだ。
――ジュリアン・シモンズ
パトリック・クェンティンの短編集は「探偵小説のプロット技術」を学ぶための最良の教本の一つとなるだろう。
――アントニイ・バウチャー
【目次】
白いカーネーション
猫の石膏像
クローゼットの死体
脚光と殺人と
殺しのワンシーン
取り違えた封筒
アルプスの殺人
誰が人魚を殺したか
町の金髪、田舎の金髪
ローラ、其は氷の女
あからさまな殺人
リビエラの死
死とカナスタ
土曜日の夜の死
朝飯前の殺人
魅惑のオープニング・ナイト
お祭りの死
拳銃と薔薇と
どうですか、あと一声……落札!
二匹の危険な牝たち
[解説]ティモシー・トラント警部補の華麗なる冒険 三門優祐
著者等紹介
パトリック,Q.[パトリック,Q.]
イギリス生まれのアメリカ人作家リチャード・ウィルスン・ウェッブ(1901~66)が合作者とともに用いたペンネーム。最初期作を除くほとんどの作品で、ヒュー・キャリンガム・ウィーラー(1912~87)が合作者を務める。同コンビはパトリック・クェンティン、ジョナサン・スタッグの名義でも多数作品を発表しており、アメリカにおける探偵小説黄金時代を代表する作家の一人である。ウェッブの没後、ウィーラーは劇作家として頭角を現して多くの栄誉に輝いた。エドガー賞を受賞した短編集『金庫と老婆』(ハヤカワ・ミステリ)がある
三門優祐[ミカドユウスケ]
1986年生、上智大学卒。在学中はワセダミステリクラブに所属。英米のクラシックミステリを愛好し、「アントニイ・バークリー書評集」(2014~17、全7巻)、「Re‐ClaM」(2018~継続中)ほかのファンジンを刊行する傍ら、私家本翻訳を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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