内容説明
アルジュナ、ドゥルヨーダナ、クリシュナ…人間的な魅力を放つ英雄たち。ウシャナスの不死の術、聖なる飲料ソーマ、最強の武器ブラフマシラスなど、不可思議な秘術・宝物。そしてヨーロッパ、北欧、日本の神話との謎めいた符合。巨大な叙事詩に挑む著者の初心であり核心である13篇の論考に、主筋のあらすじ+180項目の小事典を加える。
目次
第1部 あらすじ(大地の重荷;ガンガー女神の結婚;王母サティヤヴァティー ほか)
第2部 論考(『マハーバーラタ』の構造;世界の神話との比較;日本の神話との比較)
第3部 小事典
著者等紹介
沖田瑞穂[オキタミズホ]
1977年生まれ。神話学者。神話学研究所を主宰。学習院大学大学院人文科学研究科日本語日本文学専攻博士後期課程修了。博士(日本語日本文学)。専門はインド神話、比較神話(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒサ子。
3
久しぶりに美しい本に出会えた。カバー、帯だけでなく、見返しからすべてのページが、本当に美しい。 マハーバーラタを切り口に、神話の奥深さや美しさをのぞかせてもらいました。(ようするに、今私は、神話学(?)の底の見えない沼の淵に立たされているw) 丁寧でわかりやすい充実した一冊が、3,500円だなんてお買い得すぎです!!2020/06/07
や
1
マハーバーラタと他神話との比較 パーンダヴァ五人の三機能の分担と各機能を繋ぐドラウパティー。シヴァを委託されてるドラウパティー。トリムールティ。第二機能の中でもそれぞれ第三機能の二要素に接続するが、第一機能はなににも接続しないんだなぁ。王権と盤面 2023/07/27
paxomnibus
1
神話学というのは、この前に読んだ『ゴシック全書』の様なものなのだなと思った。例えば国も監督も制作年も違う映画をゾンビを扱っているという点だけで「ゾンビ映画」と一括りにしておいてから、その中での共通点にだけ目をやって研究するような。神話って「成立」という言葉を使うように、誰か個人が確たる意志とある哲学の元に物語りなり叙事詩なり書いたわけじゃないのに、なんでそこに共通の思想を探りだそうとするんだろう?それは人類がどこの地域でも似たような歴史を繰り返してるって事に過ぎないのでは? 今もまた同じ事が起きつつある2023/04/15