内容説明
「動かしてみようよ、ゴールデンラッキービートル!」小学6年生のジュンペイとヨータは、とあることをきっかけに、クラスから浮いた存在の女子・ヒナと仲良くなった。3人は、学校帰りにいつも立ち寄る秘密基地に捨てられている廃車を動かそうとするが…。交錯する過去と未来。一度離れた友情が再び交わる瞬間を描いた傑作小説。第7回新潮エンターテインメント大賞受賞作を文庫化。
著者等紹介
水沢秋生[ミズサワアキオ]
1974年神戸市生まれ。2012年、第7回新潮エンターテインメント大賞を受賞した『ゴールデンラッキービートルの伝説』(新潮社)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぷう蔵
39
この本を読んだのが同級会に顔を出した日だったという事が運命だったのか。同級会に参加しなければこんな感情は生まれて来なかったかもしれない。子供から大人へ成長していく過程って残酷なものだ。絶対〇〇だよね!ずーっと〇〇だよ!なんて約束しちゃって、数年後ケロッと忘れちゃってる。でも数十年してから会った時に全て許せてしまうのが級友(旧友)ってヤツなんだろうね。顔を見て、声を聞いて、時間の経過は何処へやら…。瞬間、当時にタイムスリップ。職場とか近所とか、日頃の生活のしがらみ、駆け引きのない関係ってやっぱり貴重だよね。2019/07/21
ドロンジョ935
3
少年少女の頃のみずみずしい毎日。まだ、望んだことどころか、毎日の嫌なことも自分では解決できない子供時代にした冒険、形は違っても誰にでもある子供だけの聖域。大人になったら忘れてしまって、知らん顔で生きてることがほとんどだけど、この3人には持っていてほしい、実現してほしいと思ったエンディング。夏休みが終わったときのようなさみしさ。2019/11/06
黒きネコ
3
小学生の記憶、忘れることが大半だけど覚えてることもある。それに何かの拍子で思い出すことも。意外とそんな記憶ほどちょっとしたことで悩んでる自分がバカバカしくなって、また前を向いていくことが出来るから思い出は大切にしたいなぁ。この本を読んで小学生の頃の何気ない日々を懐かしむことが出来た。こんな気持ちいつまでも大切にしていきたいな。
yutaka
2
うわ。読んで良かった。2019/07/07
tantanmen
1
ふと、子供の頃を思い出す。そうして思い出したらいろんな感情がこみ上げてくる。今の自分を支えてくれるものもあれば、苦い粉薬を飲んだ時のような飲み下しがたいものもある。そんなことを思い出すきっかけになるものがこの小説だと思う。自分はあの頃はどうだったかなと考えることは、すぎてしまった過去を振り返ることは、後ろ向きでいいことのようには思えないが、一瞬だけでも立ち止まって、思い出すことも時には必要なのだ。今のどんな感情も過去に飛んでいき、今に戻ってきたらまた新たな気持ちでスタートできるかもしれないから。2020/02/22