出版社内容情報
「私このままこの人と結婚するのかなあ。なんだかピンと来ないんだ。」
結婚に踏み切れない二人が、美味しい匂いのする草を探し歩く「私たちは塩を減らそう」。
テーブルである私と共に暮らす裸の男女が、げっぷをめぐる哲学談義を交わす「部屋の中で」。
性愛に焦がれるようにして、少年と少女が幻想的な夜の東京をさまよう「悪い双子」――。
異才が贈る、愛おしさ溢れる奇妙な恋愛短篇集。
【収録作品】
私たちは塩を減らそう
お米を宝石だと言う人
ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ
美しいうどん
嫌な話
部屋の中で
悪い双子
エベレストの方へ
解説:南沢奈央(女優)
前田司郎[マエダシロウ]
著・文・その他
南沢奈央[ミナミサワナオ]
解説
内容説明
結婚に踏み切れない二人が、美味しい匂いのする草を探し歩く「私たちは塩を減らそう」。テーブルである私と共に暮らす裸の男女が、げっぷをめぐる哲学談義を交わす「部屋の中で」。性愛に焦がれるようにして、少年と少女が幻想的な夜の東京をさまよう「悪い双子」―異才が描く、日常と異世界の狭間に生きる私たちのための奇妙な恋愛短篇集。
著者等紹介
前田司郎[マエダシロウ]
小説家、劇作家、演出家。1977年、東京都生まれ。劇団「五反田団」主宰。戯曲「生きてるものはいないのか」で岸田國士戯曲賞、「徒歩7分」で向田邦子賞受賞。著書に『夏の水の半魚人』(三島由紀夫賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かば
15
短中編集。会話文がうまい。「悪い双子」文章に引き込まれる。官能の極地。「エベレストの方」エベレストまで行っておいて旅への意識が低いのが面白い。2019/03/02
kei@名古屋
14
初読みの作家さん。テンポと言うのか?波と言うのか?乗れないままに読了。恋愛物でもなく、ミステリーでもなく、難しい。それぞれは面白いが一冊にすると行方不明な気がする。個人的には、表題作品が嫌いではない。だが、このカップルがずっと永遠一冊だと少し胃もたれしたかもしれないなぁ。2019/03/25
ぶうたん
7
文芸誌に掲載された作品を中心とした作品集。なかなかに読むのが厳しい短編集だった。巻末のエベレト行エッセイは面白かったのだが、小説は正直言ってかなり読むのがしんどい。演劇の人であることが関係しているように思うのだが、うまく説明はできない。いずれにしても通例的なプロットで組み立てられる作品とは異なっているのだ。特に一番長い「悪い双子」は苦痛だったなあ。一方で好む読者がいることも想像できるので、なおさら楽しむことが出来ない自分が残念だった。2019/02/23
さり
6
ジャケ買い。日常のテンションで描かれる非日常なお話たち。ファナモは世にも奇妙な物語で観たけど、中々衝撃だった。会話で紡ぎ出される言葉も独特で、はまる人ははまるだろうなといった印象。面白かったけど理解はできなかった。2019/05/26
あの日の夕暮れ
4
夢と現実、記憶と事実、本心さえ本当のものか自分でも分からない。自分で把握できる本当のことは実はほとんどないのかもしれない。2025/02/02