内容説明
少年時代から若き学究としてその名を馳せ、秘密研究所で水爆開発に成功、三度の社会主義労働英雄に輝き、科学アカデミー会員に選出される。核実験の放射能の影響を憂慮しながらも、宇宙論や素粒子論にも挑んだ栄光の前半生を綴る。
目次
家族と少年時代
私の教育
戦時中のモスクワ大学
ウリヤノフスク工場
物理学研究所での大学院生活
タムグループと水爆開発への参加
秘密研究「施設」
四人の科学者
磁気閉じ込め型核融合炉の研究
最初の水爆実験を前にして
スターリンの死と最初の水爆実験
第三のアイデア
一九五五年の水爆実験
核実験の生物学的影響
フルシチョフ
重複実験反対と部分的核実験停止条約
六四年の科学アカデミーの選挙
宇宙論と素粒子論に挑戦
著者等紹介
サハロフ,アンドレイ[サハロフ,アンドレイ][Sakharov,Andrei]
1921‐1989。モスクワ生まれ。1942年モスクワ大学卒業、45年科学アカデミー物理学研究所に入り、水爆開発研究に従事。53年水爆開発の成功により科学アカデミー会員に選出。核実験の放射能の影響を憂慮し、63年の部分的核実験停止条約締結に尽力。この頃から宇宙論に関する論文を発表し始める。68年「進歩、平和共存、知的自由に関する考察」を発表、軍事研究から遠ざかり、以後、人権擁護活動に活躍。75年ノーベル平和賞受賞。80年ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議してゴーリキー市に流刑。86年流刑を解かれ、モスクワに帰り、最高会議代議員に選出される
金光不二夫[カネミツフジオ]
1927(昭和2)年、東京都文京区生まれ。1953(昭和28)年、東京外国語大学ロシア語科卒。東京経済大学講師。ソ連問題研究家。2000(平成12)年没
木村晃三[キムラコウゾウ]
1934(昭和9)年、栃木県足利市生まれ。東京外国語大学卒業後、1957(昭和32)年、読売新聞社入社。プラハ特派員、モスクワ支局長などを経て1984(昭和59)年から1994(平成6)年まで編集委員。1995(平成7)年から中央大学総合政策学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。