内容説明
孫や曾孫たちが、そのまた孫や曾孫たちに語ってくれれば…。名君・上杉鷹山に仕え、94歳の天寿を全うした米沢藩士・吉田綱富が、その晩年に書き残した『童子百物かたり』。狐やうそこき名人が活躍する笑い話、水女や疫病神が登場する怪しい話、酒呑童子をはじめとする有名説話のバリエーションなど、民俗学的にも興味深い、不思議な話の数々。現代語でよみがえる江戸後期の怪異譚。
著者等紹介
水野道子[ミズノミチコ]
1948年山形県米沢市生まれ。1966年東京都立武蔵高等学校卒業。1971年東洋大学文学部国文学科卒業。日本民俗学会、日本昔話学会、伝承文学研究会、西郊民俗談話会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
57
東北、米沢の怪談を収録した一冊。正直江戸時代の文人が書いた怪談というだけで期待値はぐんぐん上がっているのだけど、読んでいると場所をはっきり明記した地元密着型の怪談から、語っている者と語られている子供のやり取りまで収録され臨場感溢れる酒呑童子の話、丸橋忠弥に纏わる巷説と予想より遥かに面白く夢中になって読む。でもやはり隅のば様や狐に騙されたといった怪談が格別に面白い。やっぱり『遠野物語』を読んでる心地がするなあ。舞台となった場所の現状について触れていてくれるのもまた良し。狐からもらった茶釜、現存するのね。2019/03/30
m
3
米沢市上杉博物館のショップで見つけて気になっていた本。東北が舞台の怪異譚。幽霊と言うよりは狐やカワウソに化かされる話が多い。解説が解説と思えないくらい読みにくかった。2020/11/30