出版社内容情報
エシュコル・ネヴォ[エシュコル ネヴォ]
著・文・その他
星 薫子[ホシ ニホコ]
翻訳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
71
”現代イスラエル文学の金字塔”との言葉も伊達ではない。三層でそれぞれ味わいの違う物語に舌鼓を打った。一冊で重厚な小説が三つも楽しめた満足感がある。副題の真相が明かされるのかと勝手に期待しながら最終章を待っていたため、その分で少し予想が外れた形にはなったが、結果的にはそんなのを忘れさせるほど惹きこまれてしまった。タイトルの本当の意味を独白するあの一文には思わず唸り声をあげた。訳者はこの小説が翻訳デビューらしい。誤字脱字は校正不足としても、訳文自体はとても読みやすいものであった。これからの活躍も応援したい。2022/09/12
R
31
アパートで起きた事件というでもない、ある日の出来事といったことが各階の住人それぞれにあって、そのことを第三者に語るといった感じの物語なんだが、同じアパートの話なんだが、それぞれは特に関係もなく、それぞれの日常といってしまえるものだけども、むしろそんな毎日の積み重ねが生活でもあると感じたんだが、そこが論点ではないと思う。難しい。未来に向けて明るい気持ちが芽生える内容でもあって、なんだかんだ楽しめた。2023/09/14
星落秋風五丈原
19
同じアパートに住んでいる住民が微妙に知りあいだがそこまで深く付き合わない。全て一人称語りなので読者は語り手の心情にひきつけられる。2022/10/09
石
5
「たいていの事実は黒と白の中間にあるのではないか。その濃淡を書くのが作家の努め」作家の奥田英朗の言葉だが、まさにこの小説を表している 三人の主人公が感情と倫理、情緒と理性の間で揺れ動く様子を繊細な文章で書いている 初翻訳らしいが訳文の質も高い2022/12/04
ishida
3
ナンニ・モレッティ『3つの鍵』原作ということで読んだ。映画ではあまりフロア間の言及はなかったが、読んでなんとなく納得2022/10/05