内容説明
政府が、発禁にした歴史書、全篇掲載!
目次
総論
第1章 新羅に関する物語
第2章 クマソ征討の物語
第3章 東国及びエミシに関する物語
第4章 皇子分封の物語
第5章 崇神天皇、垂仁天皇二朝の物語
第6章 神武天皇東遷の物語
結論
付録
著者等紹介
津田左右吉[ツダソウキチ]
明治23年、早稲田大学に編入学し翌年卒業、旧制中学校の教員を務めるかたわら東洋史学の泰斗・白鳥庫吉の指導を受け「歴史は本職」との思いに至る。その後、文献批判による科学的な歴史研究に挑み、その成果として数々の著作を世に送り出し、大正9年、早稲田大学教授に就いた。昭和14年には東京帝国大学の講師も兼任するが、いわゆる津田事件により学究活動の中断を余儀なくされる。戦後、早稲田大学総長に選出されるも固辞、ふたたび研究に没頭し、昭和36年、逝去、享年88。その学績は「津田史観」といわれ日本の歴史学の本流となり、今日に至るまで息吹いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やいっち
70
長らく気にかかりながらも読めずに来た。ようやく。十日を費やした。「戦前において神武天皇の実在を否定したことにより「不敬」「大逆」との非難を浴び、政府に追放されながらも、戦後は皇室擁護の大論陣を張った日本最高峰史家の不屈の歴史書(発禁本)」…内容の是非は問わない。2024/05/07
南北
44
これは「研究」と呼べるものではない。古事記や日本書紀を読んで妄想したことをまとめたものに過ぎない。たとえば古事記の序文にある「帝紀」や「旧辞」が伝えられてきた語りの中の部分を指すのではなく、「帝紀」や「旧辞」という本が存在したという説をさしたる根拠もなく唱えている。今日の日本古代史の学者が記紀に関してすぐに後世の創作などと妄想を語る源流はここにあったことがわかる。戦前発禁処分を受けたことが戦後過大評価されたことにつながったのだと思う。内容を盲信するのではなく、ツッコミをしながら読むのには良いかもしれない。2023/02/17
やいっち
7
長らく気にかかりながらも読めずに来た。ようやく。十日を費やした。「戦前において神武天皇の実在を否定したことにより「不敬」「大逆」との非難を浴び、政府に追放されながらも、戦後は皇室擁護の大論陣を張った日本最高峰史家の不屈の歴史書(発禁本)」…内容の是非は問わない。2024/05/07
はしめ
4
どんな印象かといえば、でっかい教室の教壇に左右吉先生がたっている。生徒たちをまえにして、伝えよう、誤解の無いように、何がありえるか、何が嘘か考えてみよう。真実は自ずから正体をあらわす。そんな感じ。熱いぞ左右吉先生。音読希望。2021/01/14