目次
1 2014.3~2015.2(春を探して;青、黒、銀、金 ほか)
2 2015.3~2016.2(美酒、喫茶;四月は微熱の季節 ほか)
3 2016.3~2017.2(会うは別れの;階上の店 ほか)
4 2017.3~2018.2(光をあつめて;桜パトロール ほか)
著者等紹介
丹所千佳[タンジョチカ]
1983年、京都生まれ。編集者、会社員。高校までを京都で過ごし、大学時代と社会人生活で七年間の東京暮らしを経て、ふたたび京都で暮らす。「PHPスペシャル」「mille」編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ユメ
30
著者はハレとケのあわい京都を軽やかに歩き回り、いつだってときめきを探す。拾い集めたきらきら輝くときめきは著者にしっかり吸収され、人柄の魅力を増すのに一役も二役も買っているのだろう。目の前に広がる四季の美しさを伝えるためにさっと詩歌を引用するセンス、そして著者自身の文章の豊かさからそのことが伺える。そして、祇園祭というハレの日に、著者は古からの人々の祈りや願いが今も生き続けるこの街の特別さに思いを馳せ、その歴史に連なることに心の平安を感じる。もしまた京都に住むことがあれば、私がしたいのはこんな暮らしだ。2018/07/15
Y2K☮
27
ミシマ社「手売りブックス」のひとつ。京都に生まれ、京都に戻ってきた著者が2014年3月から2018年2月までの暮らしを綴ったエッセイ。盆地の夏は猛暑で冬も極寒と聞く。だからこそそれらをやり過ごし、どうにか楽しむべく育まれた文化が逞しく残っていると感じた。やはり京都に住む作家のnoteで知った和菓子「水無月」に再び邂逅。来年は6月30日に食べよう(東京で買える?)。ガレットにも興味が沸いた。あと今更だけど東西線と桜餅は東京しか知らない人と京都しか知らない人が話に出したら、互いの脳内に違う絵が浮かぶのだろう。2024/07/23
金吾
17
京都の四季の魅力と美味しい食べ物が紹介されています。表現が好みなので読んでいて楽しくなりました。地元ですが、ずっと帰っていないので帰省したくなりました。2022/02/03
きゅー
10
京都在住の編集者が書く、京都の暮らし方。ガイドブックには載ってこないであろうお店の数々が紹介されていて、羨ましさで身悶えする。そして「川のある街はいい。街中に川があるのは幸いです。」という言葉には何度も頷かされる。 京都に行くと、ついなんとなく鴨川の土手を歩いていしまう。川の流れる音はそれだけで心が落ち着かされ、また天気の良い日などにのんびり散歩していたり、遊んでいたりする人を見れば、こちらも嬉しくなってしまう。京都の良さは街中に川があり、緑があることだろうと感じた。2021/04/27
わいほす(noririn_papa)
8
名久井直子さんの表紙に誘われ、京都プチ旅行のお供にと持参したが、これは観光というハレの京都ではなく、日常のケの中の風物詩を書き留めたエッセイで、京都の街に暮らす人が季節の初めにふとページをめくり、ああそういえばあの道を歩いてあの店のお菓子でも食べに行こうかと思いを馳せる、そんな本。 たぶんどこの街にも季節の移ろいを感じる景色や隠れ家のようなお店があるのだろうけれど、やはり京都は格別で、ふと路地を曲がればそこに現れる景色に、日常がハレに変わる。 景色も言葉も美しい。(コメントに続く)2018/08/11