内容説明
遠丸立は一九二六年生まれの文芸評論家。『吉本隆明論』を最初期に刊行した一人で、詩も書く。“詩人としての林芙美子”の評価にも意欲的であった。同人誌『方向感覚』を主宰し、一般的な作家論や書評などとは一線を画す、自らのこだわりに従った批評活動を続け、二〇〇九年に没した。代表作に、『恐怖考』『無知とドストエフスキー』『永遠と不老不死』等々。本書は、遠丸立の批評を導きの糸として、文芸評論の可能性を探究する試みである。
目次
1 なぜ“吉本隆明論”か?
2 “ドストエフスキー論”へ
3 『恐怖考』を読む
4 『死の文化史』を読む
5 『記憶の空間』を読む
6 その“詩と批評”とは?
7 埴谷雄高か、深沢七郎か―エピローグに代えて
(付) 見える恐怖と、見えない恐怖―遠丸立『恐怖考』を振り返る
遠丸立についての簡単な年譜
著者等紹介
愛敬浩一[アイキョウコウイチ]
1952年群馬県生まれ。和光大学卒業後、同大学専攻科修了。日本現代詩人会会員。現在、群馬大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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