感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
37
宗教学者山折哲雄氏は、泉鏡花や漱石までは、魂の存在を認めていると思います。批評界では小林秀雄(37頁1段目)。佐伯啓思先生の玉稿では、命題が提示されている。 「経済成長主義の価値観が場合によっては市場秩序を破壊する」、「市場競争主義の価値観が場合によっては市場秩序を破壊する」(63頁下段)。秩序を破壊するからこそ、非正規人生は人生の秩序を破壊されたのである。2021/07/18
ki_se_ki
3
先日亡くなった大林宣彦監督が、生前「文明のお尻ではなく、文化の先頭になれ」と言っていたということを、「震災後」「コロナ下」のいま知った。われわれはいまもまだ「戦後」、いや「近代」を引きずっているということか。こうした「鶏口牛後」のスタンスを体現する、骨太な本誌。なかでも澤村修治「有為のねぶり」(p267-288)をおもしろく読んだ。2020/07/05