感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なる
7
祝家荘、滅ぶ。欒廷玉の生死をぼやかしたのは水滸後伝への布石だと期待。囚われた扈三娘のその後が割と淡白に描かれている原典に対し、ここでは紙面を割いてエピソードを盛り込んでいる。翼を千切られた扈三娘と、彼女に一目惚れした矮脚虎・王英。海棠の花と山猿という美女と野獣の組み合わせ。「これが”捕まっちまった”ということなんだ」の科白に涙を禁じえない。後半は最大の難関。挿翅虎・雷横と美髯公・朱仝、梁山泊に好意的な二人の役人が入山することになる経緯を、道徳観に納得させるための難しい回答。子供を抱く朱仝の笑顔が胸に迫る。2020/04/26