内容説明
北欧生まれの筋肉庭師は、なぜ帰化するほどに日本文化に魅了され、徒弟制度で職人を志したのか―。初めてその謎が明かされる自伝的エッセイ。
目次
第1章 スウェーデンから日本へ(父と母の別れ;専業主婦率2%のスウェーデン;ふたりの父がいる感覚;パイロットの父とのレアな体験;テレビゲームで英語を修得 ほか)
第2章 日本での生活(スウェーデンの教育システム;英会話教室から見た日本;会話が仕事という「とまどい」;転機となった東日大震災;母のひと言で甦った熱意 ほか)
第3章 修行時代のこと(直面した社会の壁;師匠・加藤剛さんとの出会い;労働基準法とマッチした徒弟制度;田舎でこそ見られる素の日本の姿;第二の故郷・吉良町 ほか)
第4章 庭師・村雨辰剛として(帰化して日本人になった理由;村雨辰剛の由来;日本庭園の楽しみ方;海外の日本庭園事情;徒弟制度は良い仕組みか ほか)
著者等紹介
村雨辰剛[ムラサメタツマサ]
1988年、スウェーデン生まれ。中学時代の世界史の授業をきっかけに日本独自の美意識に感銘を受ける。高校時代にホームステイを経験した後、19歳で日本に移住。23歳で造園業に飛び込み、見習い庭師へ転身。26歳で日本国籍を取得、村雨辰剛に改名する。造園業の傍らタレントとしても活動し、2018年のNHK「みんなで筋肉体操」出演は大きな話題に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aya Murakami
91
他館図書館本。 (紆余曲折あって)僕は庭師になった本書。 趣味の園芸に先週のグレーテルのかまどに出演した著者。はじめっから庭師や園芸に携わるのかと思いきや軍隊に入ろうとしていたのですね。しかもレーシック手術…!ビビリの私には到底無理! 園芸も造園もキツいですよね。熱中症…日本の夏は本当に怖いです。水分に加えて塩分も体から抜けいていく怖さ。 英会話時代の日本の子どもの疲れ切った描写もなんか心に残りました。2024/02/11
ゲンキ
51
スウェーデン生まれで、中学校の時に日本の美意識に感銘を受け、19歳で移住、23歳で庭師になり、26歳で日本国籍を取得、村雨辰剛に改名、今や造園業の傍らタレントとしても活躍されている方の自叙伝。私は全く知りませんでした。読んでみて、スウェーデン生まれの方が、廃りがちな日本の伝統的文化(日本庭園等)を世界中の人々に伝えて頂いていることに感銘を受ける一方、申し訳ない気持ちになった。私に出来ることは何か?を考えさせられる良書で、感動しました。他にも教育や仕事等に対する文化の違いも書かれており、勉強になりました。2019/07/06
さおり
47
筋肉体操で有名になった村雨さんは、スウェーデンで生まれ育って、日本に焦がれ、やがて移り住んで帰化したという、異色の経歴のお方。本職は、庭師さんです。っていうか、ビジュアルが完成されすぎていて、三次元な感じがしない。自身の言葉でその半生を振り返って語っておられるのだけれど、短い文章から知性が滲み出ている。はー、すばらしい。スウェーデンと日本の文化や教育、考え方の違いとか。眼福なだけでなく、思考を巡らせることもできる本でした。2023/02/26
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
40
スウェーデンに生まれ、19歳で日本に移住して造園業の世界に入り、その後日本に帰化した村雨辰剛氏の自分史です。廃れゆく日本の伝統文化に魅了され、メディアでの活動も行いながら、自らがその魅力を伝えていく役割を担ってくれている村雨氏。軽めの読みものだけど、学ぶところも少なくない本でした。身近な世界の良いところを知ることの大切さを考えさせられました。コメント欄に覚書。2023/04/01
奈良 楓
19
日本に帰化したスウェーデンの方が著者。庭師の部分は薄目ですが、スウェーデンという国が著者を通じて触れることができました。著者お勧めの庭はいってみたいです。松が実は庭師的に難しいらしい。2024/03/25