感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かめすけ
3
「フェムテック」、「生殖技術を問い直す」を読みたく購入。ロージ・ブライドッティ『ポストヒューマン・スタディーズ』が基になったシンポジウムを書籍化したもの(本文の太字部分は誰が付けたのだろうか)。比較的若い研究者ばかりで今後の活躍が楽しみ。さて、本編についてまず「フェムテック」について、その新しさとポジティブな面を掲示しつつ、市場原理において女性の分断を招くこと、「清く・正しく・美しく」という規範を生み出(強化)してしまう事、「女性身体」の定義づけしてしまうジレンマを孕んでいると指摘する。この渡部の意見は、2022/05/13
キウ
2
ロージ・ブライドッティ『ポストヒューマン-新しい人文学に向けて』をベースにした議論を始めと終わりに置き、その間に、トランスジェンダー・アスリート、フェムテック、シンデレラテクノロジー、生殖技術、といったテーマでのそれぞれの現在を、各論者が語り、テーマごとにディスカッションを行った連続シンポジウム「ポストヒューマニティ時代の身体とジェンダー/セクシャリティ」を再構成・再編集し掲載。身体とフェミニズムをめぐる11の視点。2023/07/08
な
1
フェムテックは資本主義の匂いがするなぁと思っていたところを整理して説明してくれる章があって納得した。「あなたたちのためですよという優しい顔をして近寄ってきて何か売り付けられる」「ピンクタックス」心当たりがたくさんあるな。あと、トランスジェンダーについて言及しているものがいくつかあるけど、そもそもそれが何なのかの説明はない。性自認ってなに?2023/01/25
有智 麻耶
0
ポストヒューマン/ヒューマニズム/ヒューマニティ(ーズ)という用語が人文社会科学で流行り始めたのは、ブライドッティ『ポストヒューマン: 新しい人文学に向けて』の刊行以降だと記憶している。本書は、その問題関心を引き継ぎつつ、日本のスポーツや「フェムテック」、サブカルチャー、生殖技術について、ポストヒューマン的な観点から研究したもの。ラブドール研究を目当てに読んだが、生殖をめぐる医療について、知らないことがおおく、他人事ではいられないと感じた。2022/11/03