感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
43
貧困について考えた。やはり、経済的な側面からの貧困が浮かぶ。生命を維持するためには、衣食住の観点から考えてしまう。但し、それだけでは視野が狭い。社会的な側面からの視点の大切さを再認識。人との関係、社会との関係、そこと繋がる・・情報に届くという視点。考える視点が増える。2022/10/11
とある本棚
11
絶対的貧困・相対的貧困・社会的包摂といった貧困理論にまつわる学説史を簡単に概観するにはお勧めの一冊。ブース、ラウントリー、タウンゼントといったこの分野では避けては通れない主要な学者の調査結果、その評価も丁寧にまとめられている。学説史としては有用な一方、本書後半の著者の主張が前面に出る部分には両手を上げて賛成とはならない。特に、現状の変革の手段として著者が挙げる階級論的見方に基づく連帯には、その実現可能性も含め首肯しかねる部分もある(著者は現実的であることは、現実を追認することと同義でないと言っているが)。2023/08/12
にゃんにゃんこ
7
日本では、生命の維持が出来ない状態を「貧困」と認識されている。しかし、90年代後半に他の先進国では、最低限の社会的生活が出来ず自由が無い状態を「貧困」としている。この定義を当てはめると、年収300万円以下は貧困世帯ではなかろうか。「貧困」の定義が低ければ貧困問題は顕在化しづらい。企業や政治家への批判を抑えれる。ソビエトが崩壊した事で「階級闘争」がタブーになり、私達の団結も阻まれている。「資本主義」が唯一の社会制度と思い込ませる事で、私達は資本家の言いなりに成るしか選択肢が無くなってしまったのだ。2025/02/26
むっち
6
タイトルとおり貧困問題の「あってはならない」が歴史的に進化したことや、その解決発想が資本主義の枠内での取り組みでしかないが運動が変えたこと、枠を変える取り組みの可能性を理論的に分析まとめている。すでに「知っていることばかり」といって階級論を毛嫌いする感想もあったが、まあ立場の違いでしょう。貧困問題とはなにかなぜなくならないのか。なくすためにどうしたらいいのかと考えている人にはヒントを与えてくれる本。問題は、理論をふまえた実践で、その変える主体は現在は、だれなのかです。階級的視点の担い手はだれなんだろう。2023/11/15
Hiroki Nishizumi
6
貧困問題と貧困そのものの理解を分ける視点が良い。貧困の定義がしっかりしていないと拡散する問題対応が収拾付かなくなることがよく理解出来た。2023/11/07
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- 和書
- ギデンズと社会理論家たち