感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keepfine
1
木下武男『労働組合とは何か』(岩波新書)を題材とした鼎談(木下・浅見・今野)は読み応えあり。木下は労働組合の起源をギルドに求め、その機能をさしあたり労働条件改善、組合員の互助、政策要求の三つに絞る。他方で労組の課題(ホワイトカラー層の組織化、協同組合や消費者運動との連携など)が提起されている。また上記をふまえて、今野の単独の論考を読むと労働運動の未来を展望する上で参考になる。たとえばウィシュマさんの事件に労働運動がコミットする必要性の根拠など、既存の労組や学者が見落としている視点である。2022/12/30
ぽん
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コロナ禍でPOSSEに来る学生ボランティアで女性のほうが多いという指摘とその分析になるほどなと感じた。ジェンダーの差異が表れてて、女性のほうが自己責任論を相対化しやすいポジションにいるのだな。鼎談のなかで、ロジックとしてでなく感覚として「経済成長=悪」の考え方が示されてるのも、それが突飛な考え方でなくなってきている世代と感じさせる。2021/11/01