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内容説明
死と死後の世界をどのように認識しいかなる儀礼によって送るのか。人は死ぬとどうなるのか。「死」とは恐れ忌むべきものか、祝うべきものなのか―。世界各地の社会や集団について思想や教義、伝統に基づく弔いのありようと死のとらえ方観察、死生観と弔い方の比較から喪失を受容し乗り越える知恵を学ぶ。
目次
座談会1 「死」と「死者」と「死後」のとらえ方―死は悪であり、死者は畏怖の対象なのか
論考・人はなぜ弔うのか―「弔い」の宗教的・社会的意味の比較文化
座談会2 イスラームとキリスト教の弔いと死生観―葬送、追悼、供養の儀礼にみるその特徴
論考・キリスト教における弔いと死者との交わり
座談会3 日本における弔いの現状と未来―「死」との断絶を克服する必要性
論考・金沢における戦死者の「弔い」―招魂祭の空間の変遷と祝祭性に着目して
論考・「あの世」が照らし出す「この世」―弔いの比較文化からみえるもの
著者等紹介
小西賢吾[コニシケンゴ]
金沢星稜大学教養教育部准教授。専門は文化人類学。研究テーマは宗教実践からみる地域社会・共同体論。チベット、ボン教徒の民族誌的研究
山田孝子[ヤマダタカコ]
金沢星稜大学人文学部教授/京都大学名誉教授。専門は文化人類学、比較文化学。研究テーマはチベット系諸民族の宗教人類学的・民族誌的研究、琉球諸島・ミクロネシアの自然誌的研究、アイヌ研究、シャマニズム、文化復興、エスニシティ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
隠者
3
弔いのポイントは「死者をどうとらえているか」「死後の世界をどうとらえているか」「どんな弔い方をするか」「弔いの社会性」。様々な国の弔い方を紹介されているが共通してるのは人生の一大事業であること。これを疎かにするのは生への冒涜であると言えるのかも。他の霊長類も親族の死に悲しむが儀礼化は人間だけ。進化心理学とか種の存続としての本能があるとして人間の場合、死体を処理するという嫌悪感を如何になくすか?という問題がありそう。なので宗教化して最大の節目としたんじゃないかと思える。内容は触りだけなのでもっと知りたい。2023/04/21
ピンクピン太郎
2
ずっと気になっていた本を読むことができた。弔いは死者のためだけでなく、残された生きる者が死を認め乗り越えるためにも必要な儀式であることを知った。 動物が好きなので、本書内で少しだけ言及されていた 動物の弔い行動についても興味を持った。2021/02/19