感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
道楽モン
28
2020年にイスラエルで発表されたコミックの翻訳版。クラウド・ファンディングにて入手。イスラム教にとって伝説の「契約の箱」を巡っての考古学者の物語。トンネルはイスラエルとパレスチナの国境(イスラエルが勝手に作った)にある壁の下。イスラエルの考古学者による名声と大学教授の終身在職権をめぐるイザコザが発端で、考古学マニアの資産家パトロンを巻き込み、さらにイスラエル軍やイスラム国までが登場。トンネル内で鉢合わせした両国の発掘人はどうなるか。執筆時は休戦中なので、平時における両国の関係性が市井目線で描かれている。2024/08/19
Ecriture
8
面白かった。イスラエルとパレスチナの境界の下を走るトンネルのどこかに、モーゼの十戒を収めた契約の箱が眠っているという。考古学者の父から望みを受け継いだ娘、父から終身在職権を奪い取ったライバル学者、昔トンネル掘削に参加していたパレスチナ人、イスラム国のテロリストなどの集団が伝説の箱をめぐって争う。各陣営の出し抜き合いや寝返りによってスリルのある展開を楽しめるうえに、イスラエルの中でのヨーロッパ系ユダヤ人、アラブ系ユダヤ人、エチオピア系ユダヤ人の緊張関係を含めた、悪魔化されざるイスラエルの生活が見てとれる。2024/09/12
緑虫@漫画
2
★★★☆ どこまで本気の描写でどこまで冗談の描写かわからなくて読むのむずい。カラーリングはすごくいいね。2024/08/05
たくさん
1
古い粘土板に固執する主人公。契約の箱の地図(?)ということを隠してか収集家から手に入れようとして周囲を巻き込んでいく。どうしても手に入れるためにで軍隊やテロ組織にも構わずお宝に向かう。テロ集団の爆発物により箱でなく古代遺跡をみつけたのかな。だけど仲たがいは収まりみんなハッピーにっていうところだけど、執着の強い人は救われなかったのかな。私は世界情勢や聖書教典の知識がないのであんまりよくわからなかった。無駄とか皮肉とか合理的とか打算とかそういうのと人のかかわりが世の中を構成しているとわかる本ですね。難しい。2024/11/16