内容説明
アーサー王が北方の領主たちとのいくさに勝ち、ブリテン王となって国内に平和と秩序をうちたてようとしていた頃。アーサーの抱える円卓の騎士たちは、たびたび冒険を求めては旅に出、武勲をたてることをなによりの誇りとしていた。そのうちのひとりであるアーサー王の甥、モーゴースの息子であるガウェインは、旅のとちゅう悪天候にみまわれ、ゴーム谷に迷い込んでしまう。そこでグリムという男の屋敷に一晩身を寄せることになるのだが、グリムの計画にはめられてしまい…。
著者等紹介
ローレンス,アン[ローレンス,アン] [Lawrence,Ann]
1942年、イギリス生まれ。その作品に、15冊以上もの独創的なファンタジー小説、そしてガーディアン賞次席に選出された『五月の鷹』をはじめとする一連の児童書がある。44歳という若さで生涯を閉じたあともその作品は高く評価されつづけ、アメリカ、スウェーデン、日本でも刊行されている
斎藤倫子[サイトウミチコ]
児童文学を中心に翻訳をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう
10
アーサー王の円卓の騎士の一人、ガウェインが主人公の物語。アーサー王について全然知らなかったが、それでも十分楽しめた。ガウェインが紳士で、まさに騎士の鑑と呼ぶに相応しく、惚れ惚れする! 格好良い!2021/09/06
joyjoy
9
カバーに陽の光が当たって虹色に。魔法のはたらきそうな美しい本。ガウェイン卿、これぞ騎士!、と惚れ惚れ。楽しく魔法にかけられました。2022/05/31
Shion_Sak
5
登場人物がみんな生き生きとしていて魅力的で、何度読んでも色褪せない。大好きな、宝物のような作品。 「すべての女が最も望んでいることとはなにか」。その答えを探すことが物語の主題ではあるけれど、旅の中でガウェインが様々なものに出会い、人々と交流する姿に、自分も旅をしているような気分を味わえるのも嬉しい。 アーサー王物語のモチーフだけでなく、古い詩や歌などが取り入れられていたりするところに、作者の遊び心を感じる。 これからも折りに触れて読み返したい。
inuki54
4
とても面白かった。アーサー王伝説についてはfgoベースのうっっすらとした(そしてかなり偏った)知識しかないにもかかわらず、風景や心情を表現する美しい訳文、ガウェイン卿の実直さがわかる描写、そしてストーリーの展開、その全てに惹き込まれ一気に読み切った。 30年前に絶版となったがクラファンで再販となったとのこと、クラファンに関わったすべての方に感謝したい。fgoのガウェイン卿はメインスト以外ではギャグ要員にされがちでファンとしては忸怩たる思いをすることも多いが、苦悩しつつも前を向く格好いいガウェイン卿が(続く2021/10/31
歌音
4
ずっと気になっていたものの、絶版で読めなかった本の復刻版。 評判に違わず、素晴らしいお話でした。 情景や生活感など、キャラクター以外の描写も多く、特に中盤以降の人里離れた地を旅する中で俗世離れしていく様が、神秘の息づく古の世を感じられて、これぞファンタジー! と久々の満足感を得られました。2021/10/04
-
- 和書
- フラッシュ