出版社内容情報
椅子のない日本のくらしを舞台に日常生活を描いた
小津監督が綴る「映画の味・人生の味」他11編を収録。
小津安二郎/映画監督
『東京物語』などの名作を生んだ日本映画界の巨匠・小津安二郎。日本間でくらす家族の日常をローアングルと呼ばれる独自のカメラワークで端正に描きました。本書には、映画づくりに欠かせなかった特注の三脚や直筆の絵コンテ、日記、「グルメ手帖」などのゆかりの品と、「映画の味・人生の味」を含むエッセイや発言録を収録します。
目次
くらしの形見
小津安二郎の言葉
丸之内点景
車中も亦愉(またうれ)し
僕は映画の豆監督
小津安二郎芸談
ライス・カレー
僕は年をとったらしい
ここが楢山
泥中の蓮を描きたい
性格と表情
映画の文法
映画の味・人生の味
逆引き図像解説
この人あの人
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようこ
1
再読。不文律とされるものを犯したとしても、その結果何の破綻も生じなければその定義は不変ではない。撮影の技法についての論だけど、これは世の中のあらゆることにいえると思う。そして、常識を踏襲する方が無難であって、あえて破る必要もないというのもまた然り。ものの見方や考え方の筋が通っていて、監督としてもひとりの人物としても魅力的。わたしは『お茶漬の味』好きだけどなぁ。2021/04/06
ともブン
1
無印良品の銀座店に連れて行ってもらって手に取った「MUJI BOOKS」の一冊。 小津監督の映画作品や随筆などどれも未体験でお名前だけしか知らなかったけれど、発言録やエッセイなどのスクラップブック的なこの本をきっかけにしようと手に取った。 映画に真摯に向き合ってきた姿が浮かんでくる。葛藤や熱意を持ち、信頼できる仲間たちと歩んできたのだなぁとしみじみした。この本をきっかけに小津作品を一本鑑賞してみよう。2021/03/21