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内容説明
あの瞬間。せつない目。おいしい匂い。笑い声。手のぬくもり。消してはならないことがある。小さな声が積み重なって歴史となる。強く、温かで澄みきった若者たちの言葉を集めた、3月10日から5月27日までのかけがえのない記録集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チョコ
69
去年のコロナはじまりのロックダウン中のイタリア、若者達の日常の生の声をまとめたもの。歴史は繰り返す。後世に残すべき1冊。自分でも何が大切なのかについて考えさせられました。2021/05/02
pohcho
55
内田さんが企画・翻訳し、クラウドファンディングで出版された本。昨年、コロナでロックダウンになったイタリアで24人の若者が日々を綴っている。日本の緊急事態宣言とは全く違う厳しい外出制限。若い人には本当に辛かったと思うけど、皆、家で料理をしたり、運動したり、髪を切ったり、非日常の中で日常を生きていたんだなあ。ちなみに、デカメロンと言うと少年隊の歌を思い出すが(笑)もともとは中世のペスト禍の物語なんだね。こちらもいつか読みたい。2021/05/18
コニコ@共楽
26
1年半前にボッカッチョの『デカメロン』を読んでいた時に、この本のことを知る。今だコロナの脅威は続いているが、2020年には世界的パンデミックが最も猛威を振るっていた時。特にイタリアでの死者数は連日報道されていた。700年近く前のイタリアで起こったペスト蔓延を逃れ、10人の若者が100の物語を語り、10日間を過ごしたデカメロンの世界から発想を得た本。イタリアに住む若者24人の、2カ月の隔離生活を綴っている。キーワードは、静けさ、美味しい食べ物、読書、家族、勉強、おしゃべり。どこも恋しいものは同じだった。2023/01/18
shoko
13
ペストを題材にしたデカメロンに倣って、イタリアの若者がコロナの体験を綴る「デカメロン2020」(2020/3/10-5/27の記録)。内田洋子さん企画・翻訳。記憶はどんどん薄れていくので、こういう記録が残っていることは貴重だなと思った。同じ日々を確かに私は生きていて、世界は新型コロナウイルスという脅威を同時に体験するという稀有な体験をして、でも一人一人は自分個人の人生と向き合っていた。共通性と個別性が見渡せる、貴重な一冊。2021/12/27
K1
13
緊急事態宣言によりロックダウンを行なったイタリアの若者たちの日常が詰まっています。その中でコロナ前と後で「普通」が変わったこと、それまでの自分や家族、社会に対して深く思考したこと、そこから何を得たのかが綴られています。離れていても、そばにいるーいたいと思える人たちがいる。これからどうなるかわからないけれど、それは生きていく上でとても大切なことだと思った。2021/08/14