内容説明
深刻なヒートアイランド現象、地震火災に脆弱な木造密集地域、汚水は港湾・河川に流出し、渋滞は相変わらず。日本の都市の住みにくさは、迷信ともいうべき思い込みから制度的な枠組みができ上がり、利害が絡んで直せないことが原因だ。それらの弊害を明らかにしながら、都市の「解剖・病理・モデル・治療」といった観点から4つに章を分け、人間のための住み良い都市のかたちを提言。都市再生は制度見直しに知恵を絞ることであって、何も巨額の公共投資を必要としない。東京五輪やIR、スーパーシティ構想への提言も。
目次
第1章 いまの都市のかたち…どうしてこうなった?(戦後、木造戸建てが主流になった理由は?;なぜ木造住宅密集地域が広がったままなのか? ほか)
第2章 都市が壊れる…このままで長続きするのか?(木造密集地域での地震火災はどれくらい危険なのか?;猛暑日が増えたのはなぜ? ほか)
第3章 江戸の都市に学ぶ…コンパクトな緑化都市の姿(町家では内と外をどのように分けていたのだろうか?;江戸は核家族主体で職住分離の形式だったのだろうか? ほか)
第4章 未来の都市を探る…パーツを見直し制度を改める(木造密集地域の不燃化は、本当は無理なのでは?;違法建築でも不燃化できるのか? ほか)
著者等紹介
織山和久[オリヤマカズヒサ]
学術博士。法政大学江戸東京研究センター客員教授、(株)アーキネット代表取締役。1961年生まれ。東京大学経済学部卒業後、三井銀行(現三井住友銀行)を経て、1983年マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。製造、金融、専門サービス、官公庁から地域・都市経営まで多様な分野においてコンサルティングに従事。1995年(株)アーキネットを設立。土地・住宅制度の政策立案、開発プロジェクトの企画等を手掛け、創業時からコーポラティブハウスの企画・運営に取組む。2017年に都市住宅学会賞・業績賞を受賞。横浜国立大学都市イノベーション学府・研究院客員教授、県立広島大学大学院経営管理研究科特別講師(ファイナンス、マクロ経済学)を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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