内容説明
異界の地にいる愛しい恋人、ルクロフの元に再び帰ってきた千鶴。しかし隔てていた長い年月が二人を臆病にさせていた。この地では１４年もの時間が経っていたのだ。「何人の男に抱かれた？どれだけの数の男がその唇に触れた？」再会に胸を熱くする千鶴にルクロフは冷たく言い放ち、貪るような口づけで己を彼女に刻む。焦れるほどに熱く、震えるほどに切ない二人の距離。愛し方を忘れた二人の行き着く先は！？愛と運命のラブファンタジー！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アン
62
ＴＬ初読み。読友さんのレビューで興味を持ちました♪とてつもない執着ヒーローで良くいえば一途で溺愛系。ラブラブの時にいきなり目の前から消えたヒロインを探し続け、諦め絶望した所に彼女が現れた。それも１４年ぶりだから、その間のヒーローの苦悩は言葉で言い表せないほど。彼女の世界では離れていたのはたった１年半だけど、時間の流れに差がある異世界では１４年も経っていたなんて悲劇的。愛しているのに、また彼女を失う事を考えると素直に愛を告げられないとかわからなくもないけど、冷たい態度に隠しきれない溺愛がダダ漏れでした。2017/08/03
anko
22
再読。深くて重い愛のお話。これこそ執着溺愛系のヒーロー。異世界トリップもので時間の流れが違うのはあるけどこのお話は違いが大きくてそれ故にこじれるのが切ない。しばらくしたらまた読みたくなるかも。2018/04/06
鯵
13
雰囲気が独特で良いなと思いました。中世・貴族社会の豪華さも派手さも無く、実質剛健なリアル中世（風）の世界・城を舞台に登場人物の行動、話し方、習慣なども一つの世界観で描かれているのが印象的。ヒーローがヒロインを待って焦がれた10年と失墜の4年は長かったのだろう。それをひしひしと感じるし、ヒロインが元世界から帰ってきて、貴方がすべて！と思う一途さには胸を打たれた。過去を引きずって「愛する心」を認められない許せないヒーローと、何があっても「愛し続ける」と決めたヒロインが少しずつ時が隔てた溝を埋めていく、2020/01/22
でんか
11
再読。再トリップに14年かかった。ヒーローよく待ってた。ちょっと心が折れてる。そりゃ確かに、ヒロインが帰ってきたとて不安に思う気持ちはよくわかる。彼が彼女を乞うシーンはどれも読んでいて切ない。そのへんお上手な作家さんだと思う。ヒロインは、一途なお嬢さん。とりあえず二人、幸せになれそうでよかった、と思う。初読時、なんだか二人の言動がまどろっこしくて(お互い好きで、一体何が障害なんだ？という感じで)あまり好きになれなかったのだが、再読してみると切ない感じが程よく今の自分の気持ちに合う。再読の愉しみ。2017/09/29
kuro neko
8
web版は読んだことがない。この本は読んでいてとてもやるせない、やりきれない気持ちになる。切な過ぎて痛みを伴うレベルでした。２人だけの問題だったらまだ簡単だった。だけど、周りを巻き込んで大切な人たちの命を失った悲劇。これが事態を困難なものにさせている。異世界トリップものでも、ここまで時をめぐる話はないと思う。せいぜい５年？この本の場合は14年後の再会。ヒロインが10代の割に大人で読んでいて安心感があった。2017/04/09
