内容説明
帝国議会で漢方存続運動が否決され、漢方は消滅の危機に瀕していたが、漢方の真価を唱え、西洋医学崇拝の医学界に警世の鉄椎を下したのが『医界之鉄椎』である。啓十郎の力の源泉を探り、啓十郎が師匠と仰いだ多田民之助という漢方医が実は尾台榕堂の弟子である可能性が極めて高いことも論証した。
目次
第1章 和田啓十郎の生涯と時代的背景(その生涯と業績の概観;思想の源泉・信州松代藩の気風;啓十郎を啓発した佐久間象山の思想;なぜ漢方に情熱を注ぐことになったのか ほか)
第2章 東西医学のパラダイムの相違について(『医界之鉄椎』改訂第二版;平出隆軒の批判;国家のアイデンティティーとしての漢方;この文化を発展させるということ ほか)
著者等紹介
寺澤捷年[テラサワカツトシ]
富山大学名誉教授。1944年東京生まれ。1963年都立両国高校卒業。1970年千葉大学医学部卒業。1979年千葉大学大学院中枢神経解剖学専攻修了、医学博士。1979年富山医科薬科大学附属病院和漢診療部長。同大学医学部和漢診療学講座教授、同大学医学部長、副学長(病院長)などを歴任。2005年千葉大学大学院医学研究院和漢診療学教授。2010年より千葉中央メディカルセンター和漢診療科部長。2020年同顧問。2018年吉益東洞の思想研究に対し文学博士。日本神経学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医。和漢医薬学会理事長、日本東洋医学会会長、東亜医学協会理事長を歴任。日本東洋医学会賞、全日本学士会・アカデミア賞、日本医史学会矢数道明賞他を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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