内容説明
心理学の屋台骨を揺るがす再現性問題が勃発。どのような課題があるのか?攻略する糸口とは?心理学はこれからどうなるのか?チャンスをうかがい試行錯誤しながら、さまざまな課題にアプローチしていく1人の研究者の冒険活劇。
目次
第1章 心理学の楽屋話をしよう
第2章 再現性問題を攻略する
第3章 研究のチートとパッチ―QRPsと事前登録
第4章 研究リアルシャドー―追試研究
第5章 多人数で研究対象を制圧する―マルチラボ研究
第6章 論文をアップデートせよ
第7章 評価という名の病魔
第8章 心理学の再建可能性
著者等紹介
山田祐樹[ヤマダユウキ]
2008年、九州大学大学院人間環境学府博士後期課程修了、博士(心理学)現在、九州大学基幹教育院准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Myrmidon
4
おお、面白いぞ。「再現性問題」などに代表される現状の心理学が抱える問題や課題について、筆者の極めて個人的な思い出話や楽屋裏話を交えて扱う。ただその無駄話に見える部分も、実は心理学が抱える問題と結び付いており(例えば研究不正も、研究者のキャリア形成や懐事情と関連するのだ)、決して単なる無駄話ではない。なお、文体は極めて軽く、ある書評では『バッタを倒しにアフリカへ』『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ』と並べて評されていたほど。ただし想定読者は心理学の初学者や学生、初期キャリア研究者とのことなので、前記2024/03/08
ばにき
2
日本における心理学の再現性問題の第一人者の著者ならではの豊富な知識、経験が記されており、参考になった。今後の心理学の道筋への希望が持てる一冊だった。2024/12/01