内容説明
なぜ「日本国民」は敗戦によっても変わらなかったのか。帝国の記憶を選択的に忘却しつつ、今も旧宗主国民としての自意識をあからさまに保持し続けている現代日本の原点を見つめ直す。
目次
序 戦後日本の「建国神話」
第1章 終末のスペクタクル―アジア太平洋戦争末期における「国民」の再編
第2章 「文学」という業―決戦体制下の文学表現
第3章 敗北の想像力―保田與重郎『南山踏雲録』を読む
補論 独語としての対話―蓮田善明『有心』を読む保田與重郎
第4章 石川達三の東京裁判―『生きてゐる兵隊』戦後版の受容をめぐって
第5章 横溝正史と戦後啓蒙―「獄門島」、あるいは防衛機制としての物語
第6章 坂口安吾の戦後天皇制論―「安吾の新日本地理」を手がかりに
著者等紹介
五味渕典嗣[ゴミブチノリツグ]
1973年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、博士(文学)。現在、早稲田大学教育・総合科学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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