内容説明
日本の公娼制度は近代軍隊に無くてはならないものとしてつくられ、また近代家族を補完するものとして、帝国日本を支える重要な柱となっていった。その下で、内地・植民地・占領地の女性たちはともに搾取されていったのである。公娼制と「慰安婦」制度とは本質的に異なる、あるいは本質的に同じだとする主張が、この問題をめぐる相対立する立場での公論となっているいま、あえてその既存の公論を批判的に再検討し、公娼制と「慰安婦」制度を継続した性政治として位置づけ、帝国日本の性管理構造そのものに切り込んでいく。
目次
序章 植民地主義からみる「公娼制」
第1章 居留地・外務省警察の性管理政策
第2章 朝鮮支配を狙う侵略戦争と性暴力・性統制
第3章 「韓国併合」武断統治下の植民地「公娼制」確立
第4章 朝鮮女性が生きた植民地社会
第5章 上海における戦争・占領と性政策
終章 売春する帝国
著者等紹介
宋連玉[ソンヨノク]
1947年、大阪生まれ。ソウル大学校人文大学大学院修士課程卒業。現在、青山学院大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。