内容説明
日本とイタリアの立憲制をめぐる歴史には、多くの類似性がある。本書は、高野岩三郎とウンベルト・テッラチーニという二人のラディカルな民主主義者に注目し、敗戦国である日伊両国が前体制を克服する新憲法へと向かう思想・運動・政治的ダイナミズムを戦前から戦後への継続した流れのなかで考察。さらに憲法の内実を発展させていく運動を提唱した丸山眞男の思想と行動にも注目していく。時代状況に流されず、いかなる理想に基づき、どのように現実をそれに近づけるのかという営為こそが「憲法を作る」ことなのだ、ということを敢然と示した民主主義の先達たちに、私たちは何を学ぶのか?
目次
第1章 序論―日本・イタリアの憲法制定とラディカルな民主主義者たち
第2章 日伊両国に見る新憲法制定と民主主義を希求するダイナミズム
第3章 立憲民主主義の知的オーガナイザー―高野岩三郎のラディカルな憲法構想に向かうネットワーク
第4章 民主共和国への孤独な伴走者―ウンベルト・テッラチーニの公正な法治と寛容をめぐる闘い
第5章 補論―丸山眞男―イタリアとの比較に見るラディカル・デモクラット像
第6章 結論に代えて
著者等紹介
石田憲[イシダケン]
国際基督教大学教養学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得満期退学、博士(法学)。大阪市立大学法学部助教授を経て、千葉大学大学院社会科学研究院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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