目次
古墳の変遷からみた古氏族の動向
古諏訪信仰と生島足島神社
呪術の春
諏訪上社御射山祭について
諏訪神社の竜蛇信仰
諏訪の大天白神
天白論ノート
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
76
日本の古代史や考古学には長年関心を抱いていて、関連の本も読んできた。が、正直、ミシャグジや天白など、本書の内容は全くの初耳のものばかり。どの頁の記述も、正直あまりに吾輩の素養からは離れているので、もしかしたらとんでも本ではと思ったり。内容についての感想は書かない。守備範囲をはるかに超えているので、今回は興味深いけど頭の中では整理できなかった。捲土重来を期すのみ。諏訪は凄い。縄文時代以来の文化や伝統、祭祀、古墳の数に圧倒されるばかり。探求されていないことが多い。本書は1975年の本。以後の展開はあるのか。2020/11/21
tamami
51
哲学者の山田宗睦さんは、本書の帯で「筑紫や大和は歴史が渦を巻く土地だ。諏訪もまたはっきりとそうだ」と記す。本書は、諏訪の古層、殊に弥生・縄文にまで繋がるであろう原始宗教とそれを担った人々の動向について、現在まで諏訪に残る古墳、古社、諏訪神社の行事や古記録等を元に、考察したものである。諏訪の歴史は、探れば探るほど疑問が積み重なって、道に迷ってしまう。在野の研究者の論文集という体裁で、元版は40年以上前の刊行でもあり、読解には相当の忍耐を要求されるが、資料を基に自ら歴史を追究していく面白さに満ちあふれている。2024/06/07
翔亀
38
【諏訪2】古部族研究会の諏訪3部作は通して読むとその進化の具合が面白い。本書は第二弾。第1部では諏訪信仰の底流に流れている縄文の神・ミシャグジにスポットを当てた。ミシャグジを信仰していた諏訪の先住部族の守矢氏が、大和朝廷に征服された後も祭祀を司る存在として生き残りミシャグジの伝統を伝えたのが諏訪の特異な点だ。諏訪大社の室町時代の祭祀の記録が残っていて、年75回の祭祀、その主役は諏訪氏惣領家の童児がなる"大祝"と呼ばれる現人神だ。大祝は30日間の潔斎をしなければならないなど厳しいものだったようだが、この祭↓2020/03/15
うさぎや
13
日本原初考第2弾。今回は古代諏訪の原初的信仰にまつわるあれこれ。ミシャグジの次は天白神。しかしこちらの方がますます謎という。あとがきで「一点突破、全面展開」とあるが、まさしく諏訪という地に収束していくのが面白いような怖いような。2018/05/07
∃.狂茶党
11
今井野菊の著作は、入手困難であることから、このレーベルで復刊するか選集を編んでほしい。 資料がずらずら引用される考古学から、ルポルタージュ的なエッセイまで、江南取り混ぜ、幅広く、縄文から中世、さらについ最近まで残っていた事柄が取り扱われていく。 その後の進展も気になるところですが、米がやってきた頃の日本、縄文の記憶を引きずる古代世界が、大和に呑み込まれる家庭も想像されたりと、大変な本。 この辺までいくと、歴史と民俗学の境目はもとより、オカルトとの境界も曖昧になってくる。 おしら様や、河童も出てくるよ。2022/11/02
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