出版社内容情報
昭和八年、一斉検挙・起訴された「赤化華族」のなかに岩倉具視の曾孫がいた――。出自と時代に翻弄された少女の哀しい運命を追う。
内容説明
昭和八年、共産主義者弾圧の嵐が吹き荒れ、多くの若い華族が逮捕された。その中に紅一点、維新の元勲・岩倉具視のひ孫がいた―。岩倉靖子、二十歳。転向を拒否し、八ヵ月半を獄中で過ごした靖子は、信仰に光を見出すが…。「おっとりしたおとなしい」少女に一体何が起きたのか。貴重な資料や手記を紐解きながら、出自と時代に翻弄された令嬢の悲劇に迫る。
目次
第1章 元勲の血筋と父の放蕩
第2章 目白の女子大のなか
第3章 華族の子弟たちと日本共産党
第4章 「五月会」と一斉検挙
第5章 転向拒否
第6章 市ヶ谷刑務所へ
第7章 獄中での姿
第8章 不良華族事件と靖子の死
第9章 天皇が詠んだ歌
著者等紹介
浅見雅男[アサミマサオ]
1947年生まれ。70年、慶應義塾大学経済学部卒。出版社で雑誌、書籍の編集に携わりながら近現代史の研究、著述をおこなう。国際日本文化研究センター共同研究員、上智大学、学習院女子大学非常勤講師など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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