内容説明
これは「入門書」でも「専門書」でもない。「門」を破壊する「破門」の書である。「最後の文芸批評家」による「最新」の「時間錯誤」的日本=文芸批評。憲法九条・「歴史認識」論争・日本語のエクリチュールと近代文学・思想史の転覆的読解を試み、「東アジア的専制主義」批判から「東アジア同時革命」へ。
目次
序章 「日本人工学三原則」としての憲法九条
第1部 東アジア的専制主義批判―歴史と文字をめぐって(ただ一つの、自分のものでしかない歴史―歴史認識論;分断された時間の中で糞尿を公衆便所に運び捨て続けること―古賀忠昭「金愛花日記」論;文字存在論―天皇制のグラマトロジー;校正者の使命―安里〓〓「憲法十二条」論)
第2部 日本人の条件―友愛・大逆・主権(大日本帝国の「友」と「供」―フリーライダーとしての夏目漱石;『吉野葛』の冷たい母胎―谷崎潤一郎と天皇制;徳田秋声のダンス・ステップ―刳り取られた「大逆」的エクリチュール;福本和夫とマルクスのロボットたち;「道徳的インポテンツ」について―中野重治の「性‐道徳」 ほか)
終章 東アジア同時革命についての走り書き的覚書
著者等紹介
大杉重男[オオスギシゲオ]
1965年生まれ。文芸批評家。現在、東京都立大学大学院人文科学研究科文化関係論専攻教授。京都大学文学部哲学科社会学専攻卒業。東京都立大学人文学部文学科国文学専攻三年次学士入学。同卒業。同大学院人文科学研究科国文学専攻博士課程中退。1993年、「『あらくれ』論」にて第36回群像新人賞評論部門受賞。2001年、「重力」編集会議に参加し、翌年、鎌田哲哉、市川真人、井土紀州、可能涼介、西部忠、松本圭二と雑誌『重力』を創刊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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