出版社内容情報
『雁の世』以後の詩と生に流れた緊密な時のささやき
川田詩学の猶予なき未来が白い光の地平に見える『雁の世』以後の詩と生に流れた緊密な時のささやき
川田詩学の猶予なき未来が白い光の地平に見える
外套
それほどの肯定
ぶるっとふるえて
苔が血の花を
北極圏
司書
オネルヴァ
綿毛は そっと
消えた天幕
速い流れ
野の側から
灰
浅い水
白夜
いつまで そんなことを
魂は
海底
さなぎ
川田絢音[カワタアヤネ]
詩人。一九四〇年、満州・斉斉哈爾生まれ。詩集に『空の時間』、『ピサ通り』、『悲鳴』、『サーカスの夜』、『朝のカフェ』、『空中楼閣』、『球状の種子』、『川田絢音詩集』、『泥土』、『雲南』、『それは消える字』、『流木の人』、『ぼうふらに?まって』、『雁の世』(第23回萩原朔太郎賞受賞)。