出版社内容情報
戦後、詩は何を経験してきたのか。1955 年『死の灰詩集』論争で切り開かれた詩の戦後を問う評論集。戦後、詩は何を経験してきたのか。
1955 年『死の灰詩集』論争で切り開かれた詩の戦後。2011 年東日本大震災後の現在まで、詩は何を経験してきたのか。宗左近、辻井喬、粟津則雄、寺門仁、古木春哉、秋山清、吉本隆明、眞鍋呉夫の名と共に語られる詩の戦後の記憶。
詩の戦後
戦後詩の成立─『辻詩集』と『死の灰詩集』のあいだ
詩の断絶/詩の終焉
反「師系」の文学の系譜
私性と韻律
文転・離群・戦後 中村稔氏への手紙―『私の昭和史』(全五巻)を読んで
寺門仁 「遊女」の謎
古木春哉 古木春哉の死
宗左近 宗左近と戦後
宗左近への接近
秋山清 秋山清と直接行動
吉本隆明 吉本隆明の死
眞鍋呉夫 黙つて置いてゆきし若鮎
眞鍋先生を哭す
眞鍋呉夫の俳句
すべての表現は本歌取りでなければならない
辻井喬 辻井喬という謎
辻井喬の死
粟津則雄 粟津さんの眼力
言葉に感応する力
詩の戦後――宗左近/辻井喬/粟津則雄
われわれが踏み込みつつある世界 二〇〇三年─二〇一五年
われわれが踏み込みつつある世界
詩人の系譜
死を見つめる眼差し
日常との調和 他者との異和
詩を書かないということ
詩の癒し 詩の力
詩はなにを祈るのだろう
人はなぜ哀しい生きものとして死ぬのか
今日の「遠いものの連結」
はじめからそこにあった哀しみ
わたしは孤独であり 孤独ではなかった
詩は予知する/大地も被災する
詩の経験
空瓶通信抄 震災前/震災後
退職の弁
活字が消える日
わが朝鮮
天皇制に関する覚書
不特定多数・特定少数
尖閣諸島・延坪島、朝鮮高校授業料無償化問題
震災記
火急すみやかに原発依存から脱却せよ
ふるさとは母います国
〈震災後〉という時代
近藤洋太[コンドウヨウタ]
1949 年福岡県久留米市生まれ。中央大学商学部経営学科卒業。大学卒業間際、眞鍋呉夫の紹介で檀一雄主宰の「ポリタイア」に参加。林富士馬、古木春哉、谷崎昭男ら「日本浪漫派」ゆかりの人たちの知遇を得る。同人詩誌「翼」、「SCOPE」他に参加。現在「歴程」、「鷹」同人。添田馨らと「スタンザ」発行。詩集に『もがく鳥』(78 年)、『七十五人の帰還』(81 年)、『カムイレンカイ』(85 年)、『水縄譚』(93 年)、『水縄譚其弐』(00 年)、『筑紫恋し』(11 年)、『果無』(13 年)、『CQ I CQ』(15 年)など。評論集『矢山哲二』(89 年)、『反近代のトポス』(91 年)、『〈戦後〉というアポリア』(00 年)、『保田與重郎の時代』(03 年)、『人はなぜ過去と対話するのか──戦後思想私記』(14 年)、『現代詩文庫231 近藤洋太詩集』(16 年)、『辻井喬と堤清二』(16 年)。
内容説明
一九五五年『死の灰詩集』論争で切り開かれた詩の戦後。二〇一一年東日本大震災後の現在まで、詩は何を経験してきたのか。宗左近、辻井喬、粟津則雄、寺門仁、古木春哉、秋山清、吉本隆明、真鍋呉夫の名と共に語られる詩の戦後の記憶。
目次
第1章 詩の戦後(戦後詩の成立―『辻詩集』と『死の灰詩集』のあいだ;詩の断絶/詩の終焉;反「師系」の文学の系譜 ほか)
第2章 われわれが踏み込みつつある世界 二〇〇三‐二〇一五(われわれが踏み込みつつある世界;詩人の系譜;死を見つめる眼差し ほか)
第3章 空瓶通信抄 震災前/震災後(退職の弁;活字が消える日;わが朝鮮 ほか)
著者等紹介
近藤洋太[コンドウヨウタ]
1949年福岡県久留米市生まれ。中央大学商学部経営学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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