内容説明
ガリツィアはウクライナ民族主義者組織やバンデラで知られる一方、ギリシャ・カトリックの下でリベラリズムを育んだ地でもあった。ロシアによる侵略以降ポーランドとの連帯感が高まるも、第一次大戦からナチス期の歴史認識では対立を抱える。ドイツ・ハンガリー・リトアニア・ハプスブルク・チェコスロヴァキア・ルーマニアとも密接に関係し、中東欧政治を理解する上で極めて重要なエリア。
目次
序章 東にとっての西、西にとっての東
第一章 中世のガリツィア
第二章 近世のガリツィア
第三章 近代のガリツィア(1)
第四章 近代のガリツィア(2)
第五章 第一次世界大戦とガリツィア
第六章 ガリツィア戦争
第七章 戦間期のガリツィア
第八章 第二次世界大戦とガリツィア
第九章 第二次世界大戦後のガリツィア
著者等紹介
安齋篤人[アンザイアツト]
東京大学大学院総合文化研究科地域文化専攻博士課程在学中。1993(平成5)年、茨城県生まれ。東京外国語大学国際社会学部卒業後、東京大学大学院総合文化研究科地域文化専攻修士課程修了。ポーランド政府奨学金を受給し、ヴロツワフ大学留学(2021‐2023年)。専門は中東欧ユダヤ近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoneyama
9
ニッチな地域のニッチな歴史だったけど、ウクライナ戦争でホットな地域に。でも今回の戦争がいきなり始まったのではなくここはずっとホットな地域だったのだ。ウクライナでもありポーランドでもあり国名としてはオーストリア帝国でもありロシア帝国でもあった狭間の地域。ガリツィアとは漠然と覚えていたがリヴィウ州、イヴァノフランキウシク州、テルノーピリ州と知る。ポーランドのマヲポルスカも微妙。図や写真が豊富で、中途半端な印象記憶を治すことが出来た。著者は東大博士課程の1993年生まれ。この出版社は旧ドイツ領全史も装丁がよい。2025/03/19