内容説明
1848年革命・二重君主国解体とトリアノン条約による領土割譲・世界2番目のソヴィエト政権・日独伊三国同盟加盟・1956年革命に「破れ」続け、時代の節目ごとに多くの偉大な亡命者を輩出した61人の亡命者の軌跡で辿る激動のハンガリー史。
目次
第1章 ハンガリー建国~オスマン帝国支配~ハプスブルク帝国支配(1000年~1867年)
第2章 オーストリア=ハンガリー二重君主国時代(1867年~1918年)
第3章 ハンガリー第一共和国~ハンガリー・ソヴィエト時代(1918年~1919年)
第4章 ハンガリー王国時代(1920年~1946年)
第5章 ハンガリー第二共和国時代(1946年~1949年)
第6章 ハンガリー人民共和国時代(1949年~1989年)
第7章 民主化以降
著者等紹介
木村香織[キムラカオリ]
1980年埼玉県生まれ。法政大学法学部政治学科卒。モスクワ大学大学院歴史学部20世紀の祖国史学科修士課程修了(2008年)、同大学院南西スラヴ史学科博士課程修了(2013年)。歴史学博士。ロシア科学アカデミースラヴ学研究所研究員。専門は第二次世界大戦後のソ連・東欧史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
uniemo
10
図書館の新着本。最近移民、難民関連の本に興味がわきます。沢山の方の亡命に至る経緯を知ることでハンガリーの歴史はよくわかりました。五つの波がハンガリーの亡命史にはあるのですがその中でも特に四番目の波で富裕層であった知的職業につく多くのユダヤ人が亡命しています。それは当時ユダヤ人の豊かな社会がハンガリーに存在していたことがわかりました。ロバート・キャパの写真は知っていましたが弟も写真家であることを初めて知りました。2019/12/11
yoyoyon29
1
*ラーコーツィフェレンツ二世:オーストリアに敗れハンガリーからトルコに亡命って今では考えられない。亡命地テキルダーに行ってみたい。 *リストの曲で知ったエステルハージ家はハンガリーだったのか。ユダヤ人と共存していたそうで、好感。 *戦中期のハンガリー・ソヴィエト政府人民委員の45人中32人がユダヤ人。 *クン・ベーラ:ソ連に望んで行ったのに、トロキストとしてスターリン政権下で逮捕、拷問、獄死か刑死かもわからず・・・2019/06/10
秋津
0
二重の君主国家、ロシアに次いで生まれた社会主義国家、君主不在の王国、ソ連による「解放」を経た共和国…と、時代と隣国の間で大きく変化したハンガリー、そこから国外に去った人々を時代ごと、政治家、芸術家といった分野ごとに取り上げ、同国の歴史を紹介しようと試みる一冊。特にホルティから始まる第4章ハンガリー王国時代(1920~1946)について、戦争協力を巡る対独関係と国内政治、ハンガリーにおける反ユダヤ主義と国内のユダヤ人の運命、マンハッタン計画へ参加したハンガリー人について特に興味深く読んだ。2019/07/18