内容説明
時代の流れが生み出したさまざまな表情をもつ「沖縄の建築」。人々の営みから沖縄の歴史と文化をたどる、知る。建築MAP付き。
目次
INTRODUCTION(沖縄島建築 歴史と変遷;沖縄島建築 住宅図解一覧;沖縄島建築 風土と信仰)
INTERVIEW(玉那覇味噌醤油;津嘉山酒造所;大宜味村役場旧庁舎 ほか)
ARCHITECTURE TOURS(北部エリア;中部エリア;那覇エリア ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
33
沖縄本島の暮らしの中に活かされている特徴的な10の建築物を選んで、盛り沢山の写真とともに解説。好印象なのは、たった2人で営んできた泡盛酒造会社の建物など、そこに暮らす人々の来歴も含めてリポートされていること。そのスタンスが建物に対する親近感を高める。沖縄らしい赤瓦に7℃程度の断熱効果。その赤瓦の製造が追いつかずにコンクリート瓦が代替。花・コンクリートブロックが沖縄建築の印象的な好アクセント。石造りは庶民にとって死後の住処ということで嫌われる等、うんちく話しを多数拾えてこちらも楽しい。2024/03/23
たまきら
24
塩分、湿度、強風。沖縄の建築って本当に長持ちさせるのが大変だと思うんだけど、昔からの知恵があったり、様々な国から受け継いだ独特のスタイルがあったり…。次回行くときにはこの本を持って行って、友人と町歩きしたいなあ。2020/11/05
allite510@Lamb & Wool
14
沖縄には約2年、住んだことがあるが、独特のコンクリート建築が印象に残っている。セメント瓦や花ブロック、直描き看板もそうだが、気候と水の違いからくるのか、特異な質感を持っているようにも感じた。そんな沖縄の独特な空気感を写し取ったかのような写真と、そこに暮らす人々へのインタビューなどから、歴史・文化・生活込みの、単なる建築「物」に収まらない匂うような魅力を感じ取ることができる。またあの空気を吸いたくなる。スープで知られるシーサイドドライブインも載ってます。2023/06/20
二人娘の父
9
かつてあったもの、いまあるものを記録することの意味はなんだろうか。本書を読み、その意味を自分なりに考えた。うっすらと分かってきたのは、記録とは記憶を支えるものではないのか、ということだ。人間の記憶は曖昧だ。しかしそれは支えられれていれば、保持できるとこもある。沖縄という島で今なお存在をつづける建物たち。記憶に留めるために、そしてその記憶を繋ぐ新しい出会いのためにも貴重な記録である。2023/06/30
入道雲
9
読み進めるほどに、沖縄に行きたくなった。実際、沖縄を歩いたりドライブすると、コンクリート製の建築で長年の雨風のせいか黒くなったりして、古かったり、不気味にすら見える建物がよく目につく。しかし、そこに歴史があり、かつ、現役で使われて商売や生活を支えている。それがこの本でよく分かる。あとがきには、執筆中に首里城の火災の件が書かれていて、残念な思い出がよみがえる。ともかく、沖縄に行きたい。2021/11/13