内容説明
イタリア・サルデーニャ島の小さな村オラーニ、そこは世界の中心だった。おばさんたちがパンを焼き、子どもたちは路地をかけまわり、結婚式で輪になって踊る―遠い国でありながらどこか懐かしい情景に心洗われる秀作絵本。いたばし国際絵本翻訳大賞“英語部門”受賞作品。ボローニャ・ラガッツィ賞ノンフィクション部門優秀賞受賞!
著者等紹介
ニヴォラ,クレア・A.[ニヴォラ,クレアA.] [Nivola,Claire A.]
数多くの作品を手掛ける絵本画家。1947年ニューヨーク生まれ、マサチューセッツ州在住。イタリア出身の彫刻家コスタンティーノ・ニヴォラを父に持つ。子ども時代に度々訪れた父の故郷オラーニ村での思い出を描いた『世界のまんなかの島―わたしのオラーニ』は、ボローニャ・ラガッツィ賞ノンフィクション部門優秀賞を受賞
伊東晶子[イトウアキコ]
東京生まれ。慶應義塾大学卒。長年の編集者生活を経たのちに翻訳の勉強を始める。2013年、第19回いたばし国際絵本翻訳大賞(英語部門)最優秀翻訳大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とよぽん
47
世界のまんなか、ってそういうことか! イタリア、アメリカ、戦争、復興、科学技術の発展、・・・本当の豊かな暮らしを丁寧に見せてくれた絵本だ。外国が舞台だが、なぜか懐かしい雰囲気を感じた。絵が素敵。2023/09/15
たまきら
28
夫がダンス公演でサルディーニャ島に行ったことがあります。読んだらとても喜ぶだろうな。長寿の秘訣は食ではなく、コミュニティと関係があるんじゃないのかな…。と、この島や沖縄、ブルガリアを紹介する本を見て思ったことがありますが、この本ではまさに人とのつながりを強く感じ取ることができ、温かい気持ちになりました。娘は住んでみたいそうです。2020/09/18
gtn
23
自分がどこにいようが、心の真ん中に故郷がある人は強い。何があっても、まだ大丈夫と思えるから。2021/07/05
小夜風
22
【図書館】島といっても港からオラーニの村まで車で何時間もかかるようなので、かなり大きな島みたいです。ご近所さんみんな親戚なのか、赤ちゃんを見に行くのはまだしも亡くなった方まで見に行くの!ってちょっとビックリしました。今ではすっかり変わってしまったらしいけど、作者さんにとってのオラーニはいつまでも心の中にあるんだろうな。2015/06/10
遠い日
19
しみじみとした短篇小説のような味わい。父の故郷オラーニは、イタリアは地中海の真ん中に位置するサルデーニャ島の小さな村。そこに行けば全てが見える、全てが完璧なかたちで日々が過ぎる。ニューヨーク育ちのわたしが見聞きし、感じ味わった至福の思い出。人々の繋がりは濃く、いつも陽気で、そんな暮らしの中に当たり前のように「死」も存在する。よく食べ、よく働きよく遊ぶ村の人々は逞しい。まさに、わたしの「ふるさと」たり得たオラーニでの数々の思い出が瑞々しく語られ、光と風さえ感じられるような清々しい作品。2015/05/09