感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
31
リバタリアニズムとはいわずにオブジェクティビズム(客観主義)といいます。タイトルの「セルフィッシュネス」は利己主義のことですが、この本では良い意味で使っています。これらの含意に近い言葉は個人主義や独立、自立だと思います。日本の近代化で最初にいわれたことが再びいわれなければならないのは、利己主義よりも利他主義、共生といった方が時代精神に合致しているからでしょう。でも当たり前ですが、利他主義、共生を発信している言論人は、それを発信する影響力によってこの世界で自立しています。本書は抽象的でかなり退屈です。2021/12/04
スクワッター
4
★★★★★★ 信じられないほど良著だ… 自分が生きるのにストレートに役立つ哲学本は初めて。極限まで人間のポテンシャルを信じた力強い人間讃歌。利他主義のネガティブで悲観的な世界観から、大きな生きる喜びに満ちた、自分を愛する人生(倫理的利己主義)に後押ししてくれる本。自分を大切にして初めて、他者を真心から愛せる。間違いなく、これからの自分の思考の大きな柱になる哲学。極めて偏った思想なのに、根源の部分は否定することができないんだよな。オブジェクティビズムは知的労力と苦闘に満ちた道だろうが、体現していきたいな。2023/09/23
ミスター
3
自分を助けるための利他性。自己利益追求のための他者尊重こそ必要で、アホみたいな利己主義と利他主義の対立から抜け出せる良書2024/07/06
たなぼたん
2
個人が個人の倫理観に基づいて利益を追求することで全員の利益となる ただし、他人の道徳を侵害しない 幸福を求めるのではなく、自分の行動指針に基づいて一貫性をもって生きることが幸せを感じるという考え方に非常に納得した。「幸福とは矛盾のない喜びの状態」であり、「医合理的な価値を追求し」「善を実現」することで幸福を感じる 人間として生きるには自分の行動、目的、価値を一生のスケールと文脈で考える必要がある2023/10/18
清水聖
2
辛辣な本。悪を悪として容赦なく切り捨てる。そんな内容。おれは別に性善説の人間ではなくて、そもそも善悪が恣意的で相対的なものだから、人間の根本は善悪とかそんなものでは捉えられないものだと思ってるので… 悪が悪として悪になっているとしても、悪が悪として悪になるまでもあるはずで…。というか…被害の連鎖が人を汚していくのはおそらく真理なので、その連鎖のレールから救い上げたい。そんな人の顔は次々と浮かぶわけで…。この刃物みたいな論理は、おれは他人には押しつけられないね。自戒としては本当に役立つ本。本当に。2021/09/26