感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ohe Hiroyuki
3
本書では、五箇条の御誓文から始まり、民選議院設立の建白書などの主要な明治史を概観し、諸外国の法学の情報も適宜織り交ぜながら大日本帝國憲法がいかに作られたかが説明されている。▼大日本帝國憲法はドイツ法を意識したものであると理解してしまうが、ドイツ法学の中でも多様な考え方があるし、当時のビスマルク政権を念頭におかなければ、制定史も正確に理解できないことを思い知らされた。▼大日本帝國憲法が事実上の議院内閣制をもたらすベースになったという主張は新鮮である。100頁程度でありながらその内容は濃い。必読の一冊である。2021/06/11