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内容説明
「アイ・インバイティッド・ユー…わかるか、マサァト、きみをゲントに呼んだのはきみがかつてやったことが理由ではない。きみがやろうとしていることのためなのだ」。伝説のキュレーター、ヤン・フートに招かれ、小林はベルギー・ゲントの地に降り立った。なにもわからず飛び込んだのは、国際的なアートシーンのど真ん中。世界的なアートピープルやアーティストらが交差する開かれた世界で、小林は、ダーフハース通り52番地にスタジオを構え、新たな作品制作にとりかかる。ゲントの光は芸術家としての眼を開かせ、啓示にも似た直感を得た小林は、やがてオリジナルな絵画スタイルを獲得する。そして、新しいミューズとの出会い…。異国の地での挫折や成功を経て、自身の芸術を追い求める姿を自伝小説の形式で語るビルドゥングスロマン3部作の第2作。
著者等紹介
小林正人[コバヤシマサト]
1957年東京生まれ。東京藝術大学美術学部油画専攻卒業。1996年サンパウロビエンナーレ日本代表。1997年キュレーターヤン・フート氏に招かれ渡欧。以降ベルギー、ゲント市を拠点に各地で現地制作を行い2006年に帰国。主な個展:「小林正人展」宮城県美術館(2000)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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paluko
5
16世紀に建てられた見張り塔の最上部に作品を設置する。80段の階段を上らないとたどり着けない場所。作品が完成しオープニングの日が訪れた。「みんなでしばらく並んでから順番が来て入ってったら、なぜか上から階段を下りてくる連中の顔がいちように"ファック!"って様子だ。親指を下に向けて『上るだけ無駄だぞ!』みてえなことを言いながら下りてくるやつもいる」(259頁)結局、80段も息を切らして階段を上るのは普通は入れない中世の物見の塔の上からゲントの街を見るのが目的だった。ところが小林の巨大なキャンヴァスが邪魔をして2021/11/20
ぺこら
0
"画のある空間"、それはあらゆる光と画がつくる幸福ななにかだ。(p296 l10-11) 小林が金をつかう、小林が金をつかう!って、もうね。(p33周吾さんの台詞をききづてに。アーティストを支える画商の宿命か。鴨居玲と日動を思い出す) 保坂健二朗さんも登場してびっくり。東近美の作品購入に関わったのだろうか。 2023/12/13